#4 ページ41
iw「翔太が仲間になったのは舘さんがいなくなった後だと思う。それまでに何があったのか、どうやってふっかと出会ったのかとかは俺は知らない」
dt「うん」
iw「ただ、俺が聞いたことがあるのは、」
岩本はその続きを話す時、宮舘の顔を見られなかった。
iw「翔太は……幼馴染の復讐をしたくて仲間になったって」
kj「それって、」
iw「幼馴染が酷い目に遭って、殺人をする所まで追い込まれた事があったって。誰を恨めばいいかわかんないから、だったら……幼馴染がそこまで苦しまなきゃいけなくなったこの世界に、復讐したいんだって」
岩本はようやく顔を上げた。宮舘は口を開けてぼんやりとしていたが、やがて呆れたように笑い始めた。
dt「なるほどね」
iw「舘さん、」
dt「つまり、翔太は俺のせいで道を踏み外したって訳だ」
kj「……ダテ」
宮舘は呆れたように、哀しむように笑い続けていた。
岩本は顔を背けた。だから言いたくなかったのだ。
dt「翔太も人殺したりしたんだよね?」
iw「……積極的にやってるイメージは無かったけど、それでも俺よりは、」
dt「そっか、俺のせいで人殺しまでしたんだ」
宮舘はひとしきり笑うと自嘲的に呟いた。
dt「だったら、俺が連絡なんて出来るわけないや」
iw「舘さん、」
dt「だって、どの面下げて話すればいいんだよ」
岩本も向井も何も言えなかった。
普段あまり動じない印象の宮舘が、明らかに大きなショックを受けているのがわかったから。
dt「……ごめん、ちょっと頭冷やしてきてもいいかな」
iw「……ああ、」
dt「ごめんね……今一番大変なのはめめとラウなのに」
kj「気にしやんでええよ、俺達が何とかする。さっくんもおるし」
dt「ごめん、」
宮舘は憔悴気味に言うと、ゆっくりと自室へ向かっていった。
残された沈黙をしばらく噛み締めてから、岩本がそっと話を切り出した。
iw「ラウールは……まだ眠ってるんだよな」
kj「多分」
iw「……俺、目黒探してくる」
kj「俺も行くわ」
小声で話した二人は、去り際にカフェの札を「close」に変え、二手に別れた。
真っ昼間から酔っ払った男は、突然見知らぬ青年に話しかけられた。
男が答える前に、その青年は容赦なく鉄パイプを振り下ろした。男の体が崩れ落ちても、その意識が失われても、何度も。
やがて動きを止めた青年は、男と血塗れの鉄パイプを見つめると嬉しそうに笑った。
「あはは……!」
これでまたひとつ強くなった。
さあ、次は誰を倒そうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 885人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» わーありがとうございます! 直しました! これからももし見つけたら遠慮せずに教えてください……! ありがとうございました! (2020年11月8日 11時) (
レス) id: f87dad8c17 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 岩本"が"「狩猟豹」なのは＿。 が 岩本"か"「狩猟豹」なのは＿。になってますよ！細かいところですみません。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» いつもコメントありがとうございます! 更新頻度がだいぶ遅くなるとは思いますが、何卒お付き合いよろしくお願いします! (2020年10月24日 11時) (レス) id: 4e2a0ba139 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新しい作品楽しみにしてました！更新応援してます！ (2020年10月23日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2020年10月22日 23時
