dolphin #1 ページ15
その日の夜、岩本は結局宮舘に好物である炒飯を作ってもらい、ラウールや佐久間達と共に食卓を囲んだ。
それからは風呂の順番が回ってくるまでしばらく自室でぼんやり過ごしていた。
岩本は新参者なので、風呂は勿論一番最後でいいと言った。時が来れば自分の前に入っている佐久間が呼びに来てくれるはずだ。
岩本は、佐久間がいつ来るか分からないのでずっと部屋にいるつもりだった。しかしふと喉の乾きを覚えたので、飲み物でも貰いに行こうと何気なく部屋を出た。
だから見てしまった。彼が隠していたそれを、見てしまった。
岩本が部屋を出てキッチンに向かおうとした時、向こうから風呂上がりの佐久間が歩いて来ていた。
彼は普段目に巻いている包帯を巻いていなかった。それがわかって岩本は立ち尽くしてしまった。
彼の目とその周りには痛々しい切り傷が無数にあった。皮膚が赤黒く変色している所もある。顕になった二つの眼球はとても機能しているとは思えない。
大怪我をして視力を失った、そんな話をしていたのを急に思い出した。
iw「……え」
sk「……照?」
iw「……あ、」
岩本が漏らした声に気づいたのは、本人よりも佐久間の方が早かった。
佐久間は音波を岩本にぶつけると、岩本の表情を把握したのか苦笑した。
sk「……ごめん、嫌なもの見たよね」
iw「いや……ごめん、ちょっと……びっくり、しちゃって」
本心だった。話には聞いていたものの、実際にその怪我を目にすると衝撃を受けずにはいられなかった。
決して嫌悪感を抱いた訳では無い。しかし岩本は佐久間に勘違いさせたと思った。
iw「ごめん、嫌な思いさせたよな……違う、気持ち悪いとかそういう事は、」
sk「ふはっ、」
岩本の必死な声に佐久間は思わず吹き出した。
sk「大丈夫だよ、照がそんな奴じゃない事くらいわかってるつもり」
佐久間は岩本の方に少し歩み寄ると、自分の部屋の前で立ち止まった。ドアノブに手をかけながら岩本に微笑みかける。
なんとなく、疲れているように見えたのは岩本の気のせいだろうか。
sk「折角だし、昔話でもしよっか」
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» わーありがとうございます! 直しました! これからももし見つけたら遠慮せずに教えてください……! ありがとうございました! (2020年11月8日 11時) (
レス) id: f87dad8c17 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 岩本"が"「狩猟豹」なのは＿。 が 岩本"か"「狩猟豹」なのは＿。になってますよ！細かいところですみません。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» いつもコメントありがとうございます! 更新頻度がだいぶ遅くなるとは思いますが、何卒お付き合いよろしくお願いします! (2020年10月24日 11時) (レス) id: 4e2a0ba139 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新しい作品楽しみにしてました！更新応援してます！ (2020年10月23日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年10月22日 23時
