私が本丸にいる理由【刀剣乱舞】 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:482 hit

2度目の本丸_2 ページ7

.

止まらない涙を腕で強く拭う

振り返ってみると、その人は何とも言えないような寂しそうで、でも笑顔を浮かべて立っていた

「泰親が亡くなってから10年、ずっと司を待っていたよ」

泰親とそう祖父のことを呼ぶこの人は、一体なんなのだろうか

『聞いたことがある、記憶なんてほとんどない時に、" お父さんなのかな " って私を撫でたその声に、あなたの声が重なる』

私は記憶のない頃、何度もこの地を訪れていたんだ

幼稚園に通う前、この場所で私は父に撫でてもらったんだ

明確な記憶があるわけじゃない、それでも面影が...優しさがそうだと言ってる

『あなたは一体誰? 』

「 ... 燭台切光忠、刀剣の付喪神だよ」

笑みを浮かべる彼を見て私は冷静になってしまった

思っていた答えと違ったからなのか、それとも意味のわからない答えだったからなのか...

「司、君に泰親から手紙があるんだ」

燭台切光忠と名乗ったその人は私に手紙を手渡した

" 司

この手紙を読んでるってことはここにきたんだな
お前がここにきたのは産まれてすぐのとき

それからこの場所はお前の遊び場みたいになってたな

みんなお前をかわいがっててな、じいちゃんうれしかったな

大切な人が増えるのはいいことだ

そんなことよりも本題だな
俺はここで審神者という立場にいる
歴史を守る大事な仕事であり、ここにいる奴らを守る重要な役目だ

ここはいずれお前の母である夏美が継ぐ予定だったが、あいつはもういない

無理にとは言わん、他の者が継ぐこともできる

だがな、俺はお前に継いでほしい

俺の意思が、夏美の意思が、ここにはたくさん残されてる

お前がここを守るんだ

俺や夏美はずっとここにいるぞ

藤原泰親 "

手紙を握りしめて私はうずくまる

じいちゃんとの約束を守れていなかったことを悔やんでいるだけじゃない

ここに母や祖父を感じたから

そして、私を待っていた人がいたから

『 ... 審神者の、仕事 ... 教えて、』

.