私が本丸にいる理由【刀剣乱舞】 (ページ3)

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祖父との約束_3 ページ3

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祖父が亡くなって10年の時が経った

祖母と2人暮らしになって、私も高校2年生になった

祖父が亡くなったあの日以来、神社には行っていない

私はいつからか、あの場所に嫌悪感を抱くようになったからだ

そうなったのも10歳の誕生日の時だった

『ばあちゃん、なんで私には父さんがいないの』

純粋な疑問だった

学校の作文で、" 私の家族 " という題が与えられた時、ほとんどの友だちがお父さんお母さんについて書いてたからだ

母が早くに亡くなったのは知っていた

難産の果てに私を産んで亡くなったという

でも、父さんがいないことについては何も言われてなかった

決して豪華ではないが、2人には十分すぎる誕生日ケーキを見つめながら祖母は優しく口を開いた

「あなたの母さんが愛した人は ... この世の者ではなかったわ」

『よく、わかんない』

「付喪神と言ってね、刀剣に宿った神様だったの、この現世では長く生きていられないからね」

祖母の話を鵜呑みにしたわけではないが、私は一度目にしている

人ならざる者のような力、祖父が見せてくれたあの神社で ...

「本丸にあなたの父さんはいるのよ、じいさんが守っていたその場所に、あなたを待っているわ」

『 ... くるってる』

それから祖母とあまり口をきかなくなった

いつのまにか背は伸びて、私は高校生になってた

まるであの日の話を、あの日見た神社のその先を、思い出さないように遊んでた

「司、今日肝試しするって、くるでしょ? 」

『ああ、行く行く』

友人の言葉に頷いて答え、鞄を肩にかけて教室を出る

集合は夜9時の山の上公園

夕飯の食器を片付けながら、居間にいる祖母へ声をかけて私は家を出た

何も言わない祖母に後ろめたさを感じながら友人と合流する

「今日竹内くるんだ!! 前から気になってたんだよね、あとね、まさやもくるって! あいつ多分司目的だよ」

友人(佐伯恵(さえきめぐみ))の言葉に無理やり笑みを浮かべる

正直、男なんて興味がなかった、自分の家族よりもよくわからないものを守る祖父、人間ではない父、それを愛する祖母と母

男女の愛に私は納得できなかったからだと思う

「佐伯～、行こうぜ」

私たちは4人で裏山へ向かった

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