今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:890 hit
小|中|大
04.「可愛い可愛いあなたのため」 ページ6
「ねえねえ、大丈夫?」
雨に濡れて立ち尽くしてた男の子。
可愛い顔の、男の子。
「寒くないの?それともぬれるの好きなの?」
大きな瞳は林檎飴みたいに甘そうな色。
今にも泣き出しそうなその子に傘を差してあげた。
その子は俯いて何も言わない。
寒いのかな、それとも痛くて喋れないのかな。
「……ありがとう」
意外なことにその子の口から真っ先に出てきたのは、感謝の言葉だった。
何となく興味が沸いて、その子の話を聞こうと家に連れて行く。
お風呂貸してあげないと風邪引いちゃうかもしれないから、お風呂も貸した。
女の子の服しかなかったから、できるだけ男の子のに近いのを貸してあげる。
素直にこの子はそれを受け取った。
話を聞いて、何で悲しそうにしてたのか理解する。
ちくちく、ちくちくと、悲しそうなその子の顔に胸が痛んだ。
よしよしと頭を撫でてみる。
恥ずかしそうな、くすぐったそうな顔をして男の子は笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ