【クロスオーバー】虚像の楽園【ヴァンガードG】 (ページ4)

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02.リドルページ4

「僕の名前はトム･リドル。よろしくね。」

そう言って手を差し出す少年。
ここは英語圏らしい、まだ会話ができる場所で助かったと思う。
けれど彼の表情は子供が浮かべるには精巧すぎる貼り付けたものだった。
無駄に綺麗なその笑顔に俺は隣で笑っている女の所業を思い出して嫌な顔をしてしまったらしい。
彼は戸惑ったような表情をし始めた。

「ええと……ごめん、何か気に障ることをしてしまったかな」
「……いや、何も。ただ嫌なことを思い出して」

その握手を求めているような行き場の無い手をやや乱暴に握り、軽く上下に振る。
そしてすぐに手を離しつつ痛む頭を押さえていると赤の女王は口を開いた。

「あ、そろそろ着替えないとね」

思い出したようにそう言えば、おもむろに自分の服に手をかける。
それに顔を真っ赤にしてトム・リドルと名乗った少年は慌てて目をふさいだ。

「ま、待ってカーマイン！僕らは男なんだから……！」

どうやら意外とうぶらしい。
リドルはそう口にすると俺を引っ張って部屋の外へ出る。
……そういえば今カーマインと言っていたが……

「カーマイン……」
「ああ、全く困ったものだね、彼女はいつもああなのかい？」

どうやらあいつの偽名らしい。
深くため息を吐きたい気分だが、まあ、とにかく首を縦に振るくらいはしておこう。