【クロスオーバー】虚像の楽園【ヴァンガードG】 (ページ3)

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01.魔法の学校ページ3

揺れる身体、高い談笑の声。
何か違和感を感じつつも目を開けば、そこは見覚えの無い場所だった。
正確には汽車の一室というべきだろうか、クッションに横たわった状態で目が覚める。

「あ、起きた？伊吹くん」

顔を覗き込まれ、思わずその無駄に綺麗な顔を睨みつければけらけらと笑われた。

「寝起き悪いんだからー」

頭の下に柔らかいものがあるのは、どうやらクッションではなくこいつの腿だったらしい。
起き上がり、文句を言ってやろうとした瞬間気がついた。
窓に映る自分の姿に目を開く。

――目が覚めたら身体が縮んでいた。

どこかの漫画の主人公の有名な台詞が頭をよぎる。
ぎょっとしていたのがわかったのだろうか、赤の女王は俺の顔を覗き込んできた。

「大丈夫ー？何で窓見つめてんの？」

うるせぇ。
どうせお前のせいだろうが一応聞いてやる。

「お前の仕業か？」
「え～？何のこと？私わかんなーい」

すっとぼけやがるこいつの頭を鷲掴みすると向かい合った目の前の席から笑い声が聞こえた。
そちらに目をやれば、黒い髪の少年が座っている。
こいつの血でも混ざっているのかと聞きてーほどの顔だった。

「仲が良いんだね、二人は。幼馴染だとは聞いていたけど」
「はあ？」

赤の女王を見れば、何が楽しいのかにこにこと笑っている。
こいつこりてねえな。
ぎりぎりと嫌な音をさせ始めた辺りで赤の女王はギブアップした。