その少女、監視対象【名探偵コナン】

36.花が咲く ページ37

「あれ、水瀬さんが世良さんといるの珍しい〜！」

「水瀬さん、こんにちは！世良さん遅れてごめんね」

しばらくすると店内にクラスメイトの毛利さんと鈴木さんが入ってきた。

わぁ、目の前に裏人気投票トップの子達がぞろぞろいる。
ちなみに私は世良さんが来たことにより順位が下がったらしい。

なんか私の髪色が派手すぎて男子に不評だったみたい。……き、気にしてなんかないってば。

「学校ぶりー」

私はとりあえず軽く手を振って返す。

「2人共お疲れ様。いやー、待ってる間、意外と葵君と話が盛り上がっちゃってさ」

世良さんはそう言いながら立ち上がって2人席を開け、毛利だん達に座らせて私の隣に移動した。

「葵君ってバイトまでまだ時間あるだろ？もうちょっと話さないか？」

「えっ、私はいいけど。毛利さんと鈴木さんはいいの？勉強会するんでしょ？」

「別に気にしないわよ、せっかくだから私もアンタともっと話してみたいし」

そう言いながらメニュー表を蘭と一緒に見る園子。

まぁ確かにこの子達はそういうの気にしないタイプか。
……うーん、安室さんも特に話しかけて来なさそうだし、バイトの時間まではここでゆっくりしよう。

「じゃあ私も追加で何か頼もっかな！」


***


恋の話、学校の話、芸能人の話。女子高生が美味しいもの片手に話せば確実に盛り上がり、花が咲き誇る。

ヤバい、めっちゃ楽しい。おかげで勉強会を見事に中止にしちゃった。
ちょっと罪悪感あるけど皆楽しそうにしてくれるのでまぁいっか。名前呼びも許可されたし。

「あ、そういえばもう少しで東都水族館がリニューアルオープンするじゃない？私と蘭で行こうと思ってるんだけど」

と、蘭ちゃんの腕にしがみついて自慢気に笑う園子ちゃん。

「あれ、真純ちゃんは行かないの？」

「ボクはその週は忙しくていけないんだよ」

ボクも行きたかったなー、と悔しそうに肘をつく真純ちゃん。

「葵ちゃんも良かったら一緒に行かない？」

蘭ちゃん達に誘われ、少し悩んでしまう。

せっかく誘われたし行きたいな。

「その日のスケジュールはまだ決まってないけど。水族館行きたいし考えてみるね！」

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