32.FBI or 宗教 ページ33
逃げ出してきちゃった。
私はコナンと話をするのを用があるからと断り、家へと逃げ帰ってきている途中だった。
もし秘密をばらしたら安室さんに怒られるのは私だし、これが最善策ってやつだと思うんだけど。
そういえば、いつの間にかスクバの中に盗聴器っぽいものが入ってたから壊しちゃったんだけど大丈夫だったかな。
ホントに盗聴器かは分からないけど同じような電波を感じたことがあるしそう予想してる、確実に良いものじゃないことぐらいは流石に分かる。
ていうか入れたの誰?盗聴器を持っているとしたら沖矢さん?流石に子供のコナン君は持ってるわけがないよね、名探偵だとしても。
そんな事を考えながらマンションの階段を登り、自分の家へ到着する。
家の扉の前には塞ぐように立つ褐色肌で金髪の男性、安室さんがいた。彼は不機嫌そうに眉をしかめている。
「……私、何かしました?」
渡されて着けているネックレスはGPS機能しかついていないのでコナンくん達との会話が聞こえているはずがない。
秘密は言ってないし、私が悪いところは1つもないと思うんだけど。
「1つだけ聞く」
「は、はいどーぞ」
ゴクリと唾を飲み込んで彼の言葉を待つ。
「______勧誘されてないだろうな?」
「か、ん……え、なんて?」
安室さんの言葉を聞いた瞬間ピタッと思考が止まると、脳内にクエスチョンマークが飛び交った。
どういうこと?勧誘?かん……あ、宗教勧誘のこと!?沖矢さんってなんか危ない宗教の信者だったりするの!?
「と、特に何もされてないですけど……」
私はよく分からないまま、とりあえず事実を答えた。
***
まさか学校を早退して工藤家にいる沖矢昴の元へ行くなんて、もしかしたら何かあったのかもしれない。
例えば、もし彼女の能力があちらにバレていたら、『君の超能力で我々FBIを助けてほしい、公安ではなくFBIに来ないか?』など、“FBI”の勧誘とか。
そんなのたまったもんじゃない、FBIに彼女を引き抜かれてたまるか。
「と、特にされてないですけど……」
曖昧な質問に目を丸くして、よく理解してないながらも絞り出すように答える水瀬は不思議そうに僕を見つめている。
この様子だと、特にそういう会話は無かったようだ。とりあえずは安心か。
「ならいい」
それだけ言い、その場を立ち去った。
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星空ブリキ(プロフ) - このお話めっっっっっちゃだいすきです!!!!!!! (2023年3月7日 22時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 颯さん» わざわざコメントありがとうございます!!なるほど、普通に文にするのもありですよね、参考にさせていただきます!! (2021年2月25日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 2章のタイトルちょっと思いついたんですけど、監視対象が見た純黒の悪夢とかどうですかね。参考程度にどうぞ (2021年2月25日 19時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 莉咲さん» タイトルが魅力的だなんてとても嬉しいです!!二時間も時間を使って見つけてくださりありがとうございます!!( ´;゚;∀;゚;) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 。。。さん» わあああ!わざわざコメントありがとうございます!(*^▽^*) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2020年4月12日 16時