28.天気雨に注意 ページ29
目を覚ますと見慣れた白い天井が視界に入った。
「あ……」
保健室か。倒れて運ばれちゃったんだな。
大体の状況を理解するとゆっくり起き上がり、ベッド周りにあるカーテンを開けて出た。
「水瀬さん!起きたんですね、大丈夫ですか?」
コップに水を入れていた男性は私に気づいて振り返り近寄る。
「あはは、大丈夫です。毎回すみません、新出先生」
「顔の絆創膏も気になりますけど、顔が変に青ざめていたのでおそらく貧血ですね。ご飯は食べました?」
「今日寝坊して朝ご飯食べる暇なくて。顔の絆創膏はあれです、いつものやつです」
きっと昨夜の疲労プラス朝ご飯抜きで鉄分が足りなかったんだと思う。
ちゃんと心配してくれる先生に苦笑いしてしまう。
「喧嘩などはほどほどにして、昼ご飯はちゃんと食べてくださいね。もし何かあったら大変ですし、今日は帰りますか?」
「はい」
勿論即答だった。
***
「はぁ〜疲れた」
新出先生ってマジで誰にでも優しいよね。お人好しすぎてすっごい騙されやすそうだな〜、なんて思いながら住宅街を歩く。
この時間帯は高校生は勿論、小学生でも帰宅中の時間ではないため、辺りにほとんど人は歩いていな。
普段歩かない時間にこういうところにいると少しドキドキする、それに引っ越したばかりだから通る道が変わって新鮮だ。
ふと左に目をやると周りの家より、かなり豪華な屋敷があった。表札には「工藤」と書かれている。
工藤ってあの工藤新一の家?
ひえぇー、さすが大女優と大人気作家の息子。確か普段は家を開けてるんだっけ?
どんな家なんだろう、と好奇心で庭を覗こうとすると男性が見えたので反射的にすぐに塀に隠れた。
「っ!?」
え、誰!?
聞こえる音的にはどうやら彼は洗車をしているところらしい。シャワーの音がする。
ていうか工藤のお父さんっていうわりに若くない?どう見てもお父さんっていう年齢には見えなかったけど。それにイケメンだった気がするし。え、あの人誰?お兄さん!?
もう一度顔を見ようと塀から覗こうとした瞬間、シャワーの水が雨のように上から降りかかった。
「冷たっ!?」
突然のことに思わず声を上げる。
「……誰かいるんですか?」
あーヤバい気づかれた。
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星空ブリキ(プロフ) - このお話めっっっっっちゃだいすきです!!!!!!! (2023年3月7日 22時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 颯さん» わざわざコメントありがとうございます!!なるほど、普通に文にするのもありですよね、参考にさせていただきます!! (2021年2月25日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 2章のタイトルちょっと思いついたんですけど、監視対象が見た純黒の悪夢とかどうですかね。参考程度にどうぞ (2021年2月25日 19時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 莉咲さん» タイトルが魅力的だなんてとても嬉しいです!!二時間も時間を使って見つけてくださりありがとうございます!!( ´;゚;∀;゚;) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 。。。さん» わあああ!わざわざコメントありがとうございます!(*^▽^*) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2020年4月12日 16時