25.内緒話 ページ26
「おはよー……って大丈夫!?」
友人の千歳が私の顔を見て大きな声を上げた。周りからの視線が集まって痛い。
「お、おはよう千歳。ちょっと怪我をしちゃって」
顔に絆創膏を貼りまくった私は苦笑いする。表情筋を動かすのちょっと難しいな。
「いつもの比じゃないよ。ま、まさかついに不良に負けちゃったのっ!?」
「えーと、私が毎日不良と喧嘩してるみたいに言うのやめてくれる?私は正当防衛なんだけど」
友人の千歳は私が超能力を持っている事を知っている。
だからこそこんなに驚いているのだろう。普通なら一般人相手に負ける筈がないのだ。
「えぇ〜大体同じじゃん。それにしてもそこまで怪我するなんて相手もす」
「あ、いた!って何その怪我!?もしかして警察がなんたら〜のやつ」
千歳の声を遮って、深夜電話をしていたありさが声をかけてきてややこしくなってきた。おかげで千歳の目が輝いている。
「け、警察って!?」
ありさに鍵開けといてって言いながら結局家に行かず事情説明するの忘れてたな。
「ちょっとありさは黙ってて、千歳は興味を持たないで!色々あったの説明するから!」
***
「……って感じ。絶対に口外しないでね」
結局良い感じの嘘が思いつかなかったので、所々省いたり嘘を交えながら超能力者であることが警察に見つかってしまった事を話した。降谷さんの事は勿論言っていない。
人がいないか確認して女子トイレの中で小声で喋ってるから多分漏れてはいないはずだ。
「ついに見つかっちゃったんだ!何かマンガみたいな展開だよね!よく拘束とかされずに今日学校来れたねー?」
「えーと、もう色々ぶっ飛びすぎてて頭がついていかないんだけど……とりあえず本当なのね?」
話したことを普通に受け入れる千歳とは反対に信じられない、と疑うありさ。ありさの方には超能力の事は言っていなかったし、信じられなくてもしょうがないだろう。
「まぁ別に信じなくてもいいんだけど。何度も言うけど口外だけは絶対にやめてね」
私は両手の平を合わせてお願い、と頼み込む。2人は顔を見合わせた後、こくりと頷いてくれた。
「じゃあこの話は終わり!早く教室戻ろ」
そう言いながら女子トイレを出ると、視界が霞んできて……。
「あ、れ」
友達2人の悲鳴を聴きながら私の視界はフェードアウトした。
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星空ブリキ(プロフ) - このお話めっっっっっちゃだいすきです!!!!!!! (2023年3月7日 22時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 颯さん» わざわざコメントありがとうございます!!なるほど、普通に文にするのもありですよね、参考にさせていただきます!! (2021年2月25日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 2章のタイトルちょっと思いついたんですけど、監視対象が見た純黒の悪夢とかどうですかね。参考程度にどうぞ (2021年2月25日 19時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 莉咲さん» タイトルが魅力的だなんてとても嬉しいです!!二時間も時間を使って見つけてくださりありがとうございます!!( ´;゚;∀;゚;) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 。。。さん» わあああ!わざわざコメントありがとうございます!(*^▽^*) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2020年4月12日 16時