24.引っ越し ページ25
その後、私はMAISON MOKUBAというマンションに連れていかれ、降谷さんと一緒にドアの前に立った。
「今日からここが貴方の家です。家具は一通り運んでありますし、配置もほとんど一緒の筈です」
降谷さんは“安室透”に切り替えて喋りだした。
「は、はい」
そういや、外では安室の方で呼ぶように注意されたなぁ、なんて思いながら返事をする。
彼は鍵を開けて部屋の中を私に見せた。
確かにあんまり変わんない気がするけども……それに前より広いし。
靴を脱ぎ、部屋に上がって振り向いた。
「え、えーと……じゃあこれで。お疲れ様でした」
実はもう早朝5時だったりするのだ、日が出てきている。
私は夕方に寝てたからそこまで眠くないけれど。
降谷さんに苦労かけすぎたかも……いや、そんなことないか。そもそも私を捕まえようとしなければ良かったし。あんな時間に訪ねてくる人達の自業自得だよね?
「後ろを向いてください」
「えっ、急に何ですか」
私の言葉には反応しないで命令してくる降谷に首を傾げる。
こ、今度は何するわけ?
不信に思いながらも私はゆっくり降谷に背を向けた。少し待っていると急に首もとに冷たい物が当たる。
「冷たっ!?……これって」
小さい金属音がして、何か付け終わったらしいので首もとを触ってみる。
「ね、ネックレス?」
え、急にプレゼント?もしかしてちょっと乱暴したからそのお詫び的な……!?
こういうの、異性に貰ったことないからちょっと嬉しかったりしなくもない。
ネックレスに付いているのは金属のリングで、本来穴が開いている場所に綺麗な黒い石が詰められている。
……電子機器と一緒に。
「あの、これって……」
「GPS付きのネックレスです」
「あー……」
一瞬でもときめいた私がバカでした。
「壊すと僕と公安に連絡がいきますし、請求もいくので壊さないでくださいね」
「なっ!?」
家賃は払ってくれるのに!?
無闇に私が能力を使うと壊れる可能性もあるし、うわぁ……めっちゃいらないの貰った。
つまり能力は使うなってこと?
「あとこれもどうぞ」
今度は白いい封筒を渡された。窓付きで、透けている部分見える。大きい文字でこう書かれていた。
『請求書』
「え゛」
「貴方が壊したシャッターの交換費用です。自業自得ですね、頑張ってください」
安室さんは爽やかに笑うと隣の家へ入っていった。
「家は隣なんだ……」
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星空ブリキ(プロフ) - このお話めっっっっっちゃだいすきです!!!!!!! (2023年3月7日 22時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 颯さん» わざわざコメントありがとうございます!!なるほど、普通に文にするのもありですよね、参考にさせていただきます!! (2021年2月25日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 2章のタイトルちょっと思いついたんですけど、監視対象が見た純黒の悪夢とかどうですかね。参考程度にどうぞ (2021年2月25日 19時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 莉咲さん» タイトルが魅力的だなんてとても嬉しいです!!二時間も時間を使って見つけてくださりありがとうございます!!( ´;゚;∀;゚;) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 。。。さん» わあああ!わざわざコメントありがとうございます!(*^▽^*) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2020年4月12日 16時