16.注射筒 ページ17
撃たれた反動でよろけて2階から転落し、腕や足を骨折
_______するところだった。
間一髪、磁力で落下エネルギーを圧し殺して、体に負担がかからないように着地できたのだ。
住宅街で鉄筋コンクリートが近くになければマジで危なかった。ところどころ擦りむいたけど許容範囲、まだ動ける。
しかもなんかふくらはぎに撃たれたもの刺さってるし……とりあえずここを離れてからコイツを抜かなきゃ。
敷地内に降り、下で待機していた警察官達に鉢合わせ、私はすぐに全速力で走り出した。
「止まりなさい!」
後ろから警察がものすごい勢いで追いかけてくる。
ヤバ、今すっごい犯人っぽい……!こんな体験したくなかった!
私はとりあえず未だに起きている友人、ありさに向けて喋りながら走る。
疲れからか、なんだか体が重くて足が遅くなっているが警察は撒けそうだ。
「ごめん、ドアの鍵だけ開けといて!」
[……う、うん]
スマホから困惑する声が聞こえるけど後でちゃんと状況を話してあげなきゃ。
私はポケットのスマホの電源をオフにすると、住宅街の入り組んだ場所に入り、一旦隠れて座り込む。
この間にふくらはぎに刺さっているものを抜いてみる。
「いった……」
傷口からは少し血が溢れた。
刺さっていたのはとても小さい注射器のようなものだった。
……あー、絶対何か体に入れられたでしょ。恐すぎる。
体が重いのもこの中に入っていた液体のせい?
でも普通の銃を使ってきてないってことは警察側はまともに戦う気はない……のか?
「とりあえず体が動かなくなる前に何とかして家まで……」
私は足に負担をかけないようにゆっくり立ち上がり、また走ろうとして片足を前に出す。
「ぁ……」
瞬間、一気に全身が動かなくなり私は手も着けずに顔面からアスファルトの地面にダイブした。
ゴッという重い音と激痛が全身に響く。
い゛っっっっっっっったぁ!?
顔面ダイブとか初めてなんだけど!ヤバい痛いヒリヒリする!
足だけかと思ったら手も口も動かせなくて悲鳴も出せないとかどうなってるの!?
「……」
力が入らないから能力もあまり使えないみたい。まぁ使ったところで体が動かなきゃ逃げられないしなぁ。
しかもなんか生暖かいもの、血っぽいやつが顔に張りついてるような。うえぇ気持ち悪い。誰か助けて。
「……?」
あれ、っていうか私、意識だけはあるんだけど。
まさか、このまま警察が来るまで待つ感じ?
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星空ブリキ(プロフ) - このお話めっっっっっちゃだいすきです!!!!!!! (2023年3月7日 22時) (レス) id: 2cdbc326e2 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 颯さん» わざわざコメントありがとうございます!!なるほど、普通に文にするのもありですよね、参考にさせていただきます!! (2021年2月25日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 2章のタイトルちょっと思いついたんですけど、監視対象が見た純黒の悪夢とかどうですかね。参考程度にどうぞ (2021年2月25日 19時) (レス) id: e2ffa37dcb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 莉咲さん» タイトルが魅力的だなんてとても嬉しいです!!二時間も時間を使って見つけてくださりありがとうございます!!( ´;゚;∀;゚;) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 。。。さん» わあああ!わざわざコメントありがとうございます!(*^▽^*) (2020年11月26日 21時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2020年4月12日 16時