52.交錯 ページ16
手錠を外すにはまだ時間がかかるな。そういえば咄嗟に家にいた水瀬に連絡したが、アイツはこっちに来てくれたのか?
針金で手錠を何とか外そうと試みる。そして怪しまれないようにジンの方をずっと見つめる。
「仲良く互いを庇い合ってるというわけか」
「庇うも何も……」
ジンの言葉に僕が言い返そうとしたその時。
天井の方から金属が擦れる音がし、大きな音をたてて何かが崩れ落ちてきた。
「!?」
その場にいる全員が驚きながら上を向いてその正体に目を凝らす。落ちてきたのは金属の大きな柱で、その柱はジンを目掛けて降ってくる。
柱ごとって事は、もしかして水瀬か……!?だとしたらこのチャンスを逃すわけにはいかない。
ジンはその場から間一髪で避けるが、柱はジンの近くのスポットライトに直撃してしまい、唯一の光源が失って辺りは暗闇に包まれた。
「キール、バーボン!動くな!」
ジンの声に歯向かい、明かりがつく前に手錠を外して物陰に隠れ、息を潜める。
そして金髪の女性、ベルモットが遅れてスマホのライトで辺りを照らした。キールは手錠にかかっているが、僕、バーボンは既にいない。
「バーボンがいない!逃げたわ!」
「こんな時に柱が落ちてくるなんて、建て付けが悪かったんですかね?それにしてもタイミングがよすぎる……」
ウォッカはスマホのライトで天井を照らしてみせた。
すると倉庫の正面扉が大きな音をたてて開き、夕焼けの光が差し込む。
僕が逃げたのだと予想したジンの指示でウォッカとベルモットが追いかけに向かう。
しかし、ベルモットはスマホの画面を見ながら立ち止まった。
「悪いなキール、鼠の死骸を見せられなくて。だが寂しがることは無い、時期にバーボンもお前の元へ送ってやる。
___あばよキール」
ジンがそう言いながら銃を構え、引き金を引こうとしたその時、ベルモットがそれを止めた。
「ジン待って!撃っては駄目。ラムからの命令よ。
それで、我々は何を?……はい、了解しました」
どうやら電話がかかってきたようで彼女はラムを会話していた。ジンは舌打ちをする。
「キュラソーからメールが届いたそうよ、2人は関係無かったと」
キュラソーからメール?まさかそれも水瀬がやったのか?でも……。
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秋海(プロフ) - ありがとうございます…! (2021年8月8日 19時) (レス) id: 628fc0211f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 秋海さん» ありがとうございます!!!夢主ちゃん描いてくださったんですか!?自作発言などなければ基本的に載せていただいて大丈夫です! (2021年8月8日 19時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
秋海(プロフ) - 作品とても面白いです!!夢主ちゃんが可愛かったので描いてみたんですが、見て頂きたいので自分の作品の方で載せても良いですか…? (2021年8月8日 18時) (レス) id: 628fc0211f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます、白いカードのシルエットのことでしょうか?そうです降谷さんです、合っていますよ!! (2021年8月5日 16時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - あの、ホーム画?イメ画?のシルエットになってるイラストって、降谷さんですかね。?!((((違ったら全力逃走 (2021年8月5日 5時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2021年3月2日 17時