その少女、監視対象 No.3【名探偵コナン】

74.すれ違い ページ5

月が高く上る夜。私はとあるコンビニの近くにいた。

なるべく近所の人に見つからないように黒いパーカーを羽織ってフードも被っている。黒づくめすぎて深夜にいたら不審者とも見間違われそうな格好だけどしょうがない。

私は昼にありさが言っていたコンビニ近くの住宅街を周り、監視カメラを探していた。

私らしき人と会ったならもしかしたら、キュラソーが言ってたギブソンって奴がカメラに映っているのかもしれない。

調べるぐらい許してね安室さん。

「あ、あった」

目の前に1台発見。
ジャミングして監視カメラのコードを引っ張りだし、能力で強制的にスマホと繋いでみる。

スマホの画面に映し出された映像を巻き戻し、過去に自分のような人がいないか映っている人を目で追う。
ありさが私らしき人物と会ったであろう時間まで巻き戻したがそれらしき人物は見当たらない。

……まぁ絶対ここを通るわけじゃないから見つからなくてもしょうがないか。
監視カメラがそこらじゅうにあるわけじゃないから監視カメラがある道を避けて歩くことは可能だろうし。

それとも、もし私のクローンなら、私と同じ能力使えて監視カメラの映像を偽造してる可能性も……。

考えれば考えるほど分からなくなり顔をブンブンと横に振る。

繋いでいたコードを外し、スマホで周辺の地図を検索してスクショすると、その画像を加工して今いる場所に赤いバツ印をつける。

深く考えるのはやめて、とりあえずこの辺りの監視カメラ全部チェックしてみよう。




***



それは事件を解決した帰り、さっきいた建物に忘れ物をしてしまい駆け足で戻っていたときの事だった。

「あれって……」

路地裏に入る水色メッシュが入った髪をした見覚えのある少女がチラッと見えた。

水瀬だよな？こんなところで何をしてるんだ？

安室さんとの関係も詳しくよく分からなかったのもあり、少し気になった俺は彼女が入っていった路地裏をこっそり覗いてみる。

暗いからよく分からないが銀髪の男性と水瀬が何かコソコソと話してるのが見えた。話はここまで聞こえない。

男性も水瀬も黒い服を身に纏っていて、まるで……。

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