その少女、監視対象 No.3【名探偵コナン】

81.代替案 ページ12

大事な用だと思っていたのに冷蔵庫って……。

「何で僕に対処法を聞くんだ、自分で解決してくれ。業者を呼ぶとかできるだろう」

[だってお金かかるし……安室さんに聞いた方が早いと思って。そしてあわよくば安室さんの冷蔵庫に食べ物避難させたいなーって]

食品の数自体は少ないから多分そっちの冷蔵庫入りますよー、という呑気な声にギブソンといたときの緊張がほぐれてしまいそうになる。
本物とクローンでここまで性格が違うものなのだろうか、多少は引き継いでいそうな気がするが全くそんな気配が感じられない。

「はぁ……。生憎だが今日は仕事で帰れない。自分で何とかしてくれ」

[えぇーっ！タイミング悪くないですか、安室さん頑張って帰ってきてくださいよ！……じゃないと窓かドア壊して侵入しますよ]

「それお前の借金が増えるだけだぞ」



***



話し合いの末、代替案として

「こ、こんばんは水瀬さん」

部下の風見裕也さんが安室さんの家のスペアキーを持ってきてくれた。かっちりとスーツを着こなしているのでおそらく仕事中に呼ばれたのだろう。
いやでもまさかそうくるとは思わなかった。まぁ助かったけど。

「こんばんはー！大変ですね風見さんも」

「私の仕事を増やしたのは貴方ですけどね……」

彼は正論を返しながら安室さんの部屋を開けてくれた。私が食品を入れた袋を持って玄関へ上がるとそれに続いて風見さんも着いてくる。

「あれ、風見さんも家入るんです？」

てっきり風見さんが私に鍵渡してくれるのかと思ってたんだけど。

「仕事に関する資料もありますし、漁らないように監視しろと言われているので」

「うわ、信用ないなー」

まぁ正直なところついでにパソコン漁るつもりでいたから安室さんの判断は正解かな。思惑がバレてるわ。
ていうかやろうと思えば風見さん気絶させるぐらいできるけど、まぁ今回は見逃してあげよう。……後が怖いし。

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