その少女、監視対象 No.3【名探偵コナン】

76.夜明けのハーブ ページ7

結局、周辺の監視カメラを見ても何も手がかりは掴めなかった。焦って何時間か使って探したのに情報ゼロって……さすがにへこむ。

そんな感じで落ち込んでいた私は次の日、気分転換に沖矢さんの家(実際は工藤の家)にお邪魔し、彼の料理の勉強に付き合っている。

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます！うわぁ、美味しそう……！」

目の前に置かれたガトーショコラを見て自然と口角が上がる。そしてチョコレートの良い匂いが漂って食欲が刺激される。
私はいただきます、と言ってフォークを持ち一口サイズに切り分けていった。

勉強に付き合っていると言っても普段から料理しない私からは何も教えられることはないし、ただ作ってくれた物を食べてる試食係だけど。
一応、私から何もしてあげられてなくてここ来るの迷惑じゃないですか？と聞いたが、迷惑ではないと返されてしまったので私は遠慮無くここにいることができていた。

まぁそれは置いといて

「しっとりしててすごく美味しいです！」

このガトーショコラ、ほっぺたが落ちる程美味しい。多分店で出せるレベルだ。
料理は最近は始めたばかりとか言っていたけれど、もしそうだとしたらすごい成長スピードだなぁ。

「それは良かったです。新しく買った茶葉で紅茶も淹れたのでどうぞ」

そう言いながら、トレーにティーカップを乗せて沖矢さんが席につく。良い匂いが広がった。

「ありがとうございます」

喜んでティーカップを受け取り、飲もうとすると紅茶が青色であることに気づく。

あれ、これテレビで見たことあるような。

「これってブルーなんたらっていう紅茶でしたっけ、レモン入れると色が変わるっていう……」

「おや気づきましたか？はい、ブルーマロウです」

どうやら予想は当たりらしい。
最近その茶葉を手に入れたので淹れてみたかったと言いながら、彼はキッチンに置いてある茶葉の袋を指す。

「へー！生で青い紅茶見たの初めてです、いただきます！」

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