その少女、監視対象 No.3【名探偵コナン】

83.いい子にしてれば ページ14

結局本当にオムライスを振る舞われてしまったので仕方なく水瀬さんと一緒に食べる事になった。

「そういえば水瀬さん。そのネックレス、一度も壊していないんですね。普段からきちんと着けているようですし」

「え？」

目の前の少女が首に着けているネックレスの話題を出すと、着けている本人は食べる手を止め、ため息をついた。

「あー、まぁ……壊すと後々めんどくさそうだし」

彼女が着けているネックレスは特別製でGPS機能と耐水性、対電性もある優れものの為に値段が張る。恐らく壊さない理由の1つは賠償したくない、だろう。
この前も「シャッター壊しただけでお金取るとかマジ無いわー。返すのめんどくさすぎません！？」などと言っていたので間違いない。

「それに従ってないと取り外し不可のGPSとか、寝てる間にチップ埋め込まれたりしそうでこわいじゃん！」

「そ、そうですか」

超能力者の彼女でもこういう感性は普通の少女のようだ。少しホッとする。

「ていうかこの生活、一体いつまで続くんですか？外歩いてるとき安室さんの部下っぽい人がたまに着いてくる事もあるし……」

すごい嫌です、と口を尖らせる水瀬さん。

「いつまで、と言われても」

正直、この監視生活がいつまで続くかと聞かれたらこのままだと一生続くだろう。残念ながら彼女は超能力者である限り監視対象であり危険人物なのだ。彼女はいつでも殺人ができるナイフを持っている人間同然で、自分に危害を加える人に容赦が無い一面もある。こんな人を放っておけるわけがない。
というかまず超能力者なんて奇想天外な存在を警察が放っておくはずがない。

とりあえずここはなるべく希望を持たせるべきだろうか。

「そうですね……降谷さんの言う事をしっかり聞いてずっと大人しくしている事ができたら少しは監視が緩くなると思います」

私の返答聞くと彼女は眉を八の字にし、またため息をついた。

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