. ページ37
.
三村side
今日言うと決めてからは、自分でもビックリするくらい冷静だった。
今日一緒に帰ろうと誘い、演劇部の部室で待っててと伝えた。
OKを貰ってから、段々と緊張してくる自分が居て情緒不安定じゃんなんて思ったり。笑
--
蓮「ふぅ…」
お話会も終わり、先に部室に向かって着替えて、
深呼吸をした。
野郎組の皆は、
いつもなら一緒に来てるけど、今日だけは2人にさせて欲しいと頼んだから今頃は土手を歩いてる頃かな。
ｺﾝｺﾝ
あ、来た。
○「失礼しまーす…蓮くん居ますか？」
Aの声を聞いた途端、心臓が煩くて、
この静寂の中、彼女に聞こえてしまいそうなほど。
蓮「A、」
そう名前を呼べば、不思議そうな顔をするA。
やっぱり怖かったかな、
蓮「僕だよ、蓮。三村蓮」
○「え、蓮くん？なんでそんな格好、」
蓮「これは、その、Aと話したかったから…
こんな格好でごめん、」
Aなら分かってくれる、よね。
○「ううん、前にそれ着たら話せるって言ってたもんね、大丈夫だよ。私に何か言いたかったの？」
僕の話をちゃんと覚えててくれる辺り、好きだなって。
蓮「えっと、Aと話せなくなったのは、その…Aが女の子だって分かったからなんだ、」
○「…へ？」
そうだよね、僕、今すっごく失礼な事言ってるよね。
ちゃんと言わなきゃ。
蓮「その、最近登下校誘っても四谷くんとか六ちゃんと話してて、話せないのは僕が悪いのに、なんで？って嫉妬するし、
授業中も、A何の授業かな？とか話せなかった事への後悔とか、
もうずっと、Aの事ばっかり考えちゃって、気付いたら話せなくなってたの、…嫌な気持ちにさせてごめん、」
…あれ。
僕はこんな事が言いたいんじゃない。
嫉妬とか僕のヤバい思考とか、伝えるつもりじゃなかったのに。
気付いたら早口になってて、
気持ちを伝えるどころかAも引いてる。
言うんだ、僕。
真正面から気持ちを伝えなきゃ。
…いや、こんな格好じゃ伝わんないか。
勇気を出して、着ぐるみの顔を外して、戸惑うAに近づいた。
○「…？」
蓮「要するに、その、Aが、すき、です、…！っ、」
よし、言えた。
…けど、怖い。Aの返事を聞くのが。
どうしよう。
___気付いたらその場から逃げる様に僕は走り出していた。
狡くてごめん。
一緒に帰ろって僕が言ったのに。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴゅかぴゅう | 作成日時：2020年5月10日 15時
