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朝起きてリビングに行って、
家を出る時間になっても蓮くんは来なかった。
寝坊でもしたのかなって思って、1度蓮くんの家に寄ってから学校に向かう事にした。
○「いってきま〜す」
と玄関を出れば、
隣の家からも、ガチャという音がして、見れば蓮くんが居た。
なんだ、ちゃんと起きてるんじゃん。
だったら、なんで来なかったんだろう。
なんて、"しばらく来ないで"と言ったのは自分なのに、朝だけは来て欲しいなんて思ってしまって、
作戦も何も無いななんて思いながら、
まだ気づく気配の無い彼に声をかけた。
○「蓮くん、おはよう」
そういえば、おはようと笑ってくれるから、朝から幸せだなって思ったり。
そんな事を考えていたら、いつの間にかこんな事を聞いていたみたい。
○「っ蓮くん、今日どうしたの?寝坊でもした?」
本当は寝坊じゃないのは分かってるけど、
咄嗟に出てしまった言葉はこれだった。
蓮「ふふ笑」
なんて笑われて、びっくりしてたら、
心配してくれたの?って。
そりゃ、心配するよね。
私が何を言っても毎日のように来てたのに、
来れない日は「起きた?」とか連絡までしてくれてたのに、
今日は何も無かったんだから。
○「心配したらダメなの?」
そう言えば、蓮くんの頬が少し緩んだ気がした。
蓮「んーん、嬉しいなぁって。
大丈夫、昨日、寝ちゃったからシャワー浴びてただけだよ。心配ありがとう」
そうやって笑うとこがまたずるい。
嬉しいなんて、まるで…
なんて、考えるのは辞めた。
○「良かった。気をつけてね」
それだけ言って先に学校に向かおうとすると、引き止められて、
一緒に行かない?って。
自分から離れてるくせに、少しでも一緒に居られるのが嬉しくて、
思わず、変な声が出てしまった。
それを否定と取ったのか、
ごめん、なんて言うものだから、
私も慌てて、行きたい!と伝えた。
本気で喜ぶ蓮くんが可愛くて、安堵する蓮くんが面白くて、
歩き出して、チラチラと横顔を見ていたら
凄く百面相していて、また面白くて。
それを聞けば、
蓮「え、?あ、うん。大丈夫!ちょっと考え事してただけ!」
なんて慌てて誤魔化すから、
いつもと立場逆転だなぁなんて思ったりもして。笑
でも、もし悩んでるならと思って、
○「何でも聞いてあげるからね?」
と言えば、嬉しそうに「ありがとう」というものだから、
結局幼馴染というポジションを捨てきれないんだ。
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作者名:ぴゅかぴゅう | 作成日時:2020年5月10日 15時