【10】おいでませ極楽通り三丁目 ページ10
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教務室がどことなく埃っぽいのは大人の換気ぎらいのせいか、それとも俺の居心地の悪さがそう感じさせるのか、どちらにせよ気分のいいものではない。大人だけぬくぬく過ごしていいご身分だ。先生は室内がこもる感じが嫌いなので、今ここにいたら目眩を起こすだろうな。
「ああ、なるほど。�兇�Ⅺがうまく繋がってないな。そこから電気信号が伝わらなくなっているんだ」
「はあ･･･」
「そう気を落とさなくていい。全体的に結構いい線いってるぞ。･･･しかし、なんだ。そういうのも
はあ。そんなもんですかね。
間抜けな顔をつくった俺に、風丸先生はゆるく口角を上げてみせた。アクアブルーの髪は毛づやがいいのか僅かな身じろぎに揺らめいて、彼が女生徒の人気を得るのもなんとなく理解できる。
先生みたいな魔法の使い方ができるに越したことはないけれど、俺がその域に達するのはしばらく後か、あるいは生涯かけても難しいほどだろう。いぶかる俺を見た風丸先生が懐かしむようにぽつぽつと語り始めた。
「元気にしているか、彼女は。顔を合わせることもあるが、もう俺には心を開かないらしい」
「先生は、大人が嫌いですから。在校時代はどんな人だったんですか」
「･･･笑顔のよく似合う人だった。活動的で、よくあたりを駆けめぐり、来客玄関は彼女たちの賞状やペナントで溢れていたものさ･･･」
･･･およそ普段の印象からはかけはなれている･･･。そもそも玄関のガラスケースは、今じゃ神童先輩やその他数年前の先輩のものしか飾られていないじゃないか。風丸先生は、悲しそうに笑って呟いた。全部壊したんだ。
「ある時、ひどく錯乱しながらすべてを魔法で粉々に。とても見ていられなかった･･･」
「･･･」
「･･･おっと、これ以上話すと危ないな。ここにサインだけ書いといてくれ。狩屋、Aを頼んだ」
大人は勝手だ。先生のそんな状態を知りながら、どうして平然と仕事をさせられるのだろう。とにかく勉強は進みそうだし、入室記録を書くため鞄に手を伸ばす。けれど、俺はすぐに気がついた。気がついてしまった。
「･･･ない！」
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ヅカ(プロフ) - レアノさん» レアノさ〜ん(;;)(;;) かなり自己満な小説なので皆さまがどうお思いになるか定かではありませんが、いつも通りいかせてもらうので是非見守ってやってくださいp(^-^)q まったり更新でがんばりま〜す！ コメントありがとうございました！ (2021年8月7日 22時) (
レス) id: b8ee486810 (このIDを非表示/違反報告)
レアノ - 御伽噺のようなお話の作り方が大好きです。マサキと夢主とヒロトのこれからがどうなるのか続きがとても楽しみです。更新応援してます。 (2021年7月24日 14時) (レス) id: a91aad1e54 (このIDを非表示/違反報告)
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