【12】その声が誰かに届くまで ページ12
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朝日は俺の憂うつを笑うかのようにいやらしく照り、心さわやかな空気にもまれたところで気分が晴れるものでもない。何より鼻っぱしらが未だヒリついて最悪だ。隣を歩く輝くんが苦笑いをしている。
いくら
「･･･わ、狩屋くんあれ見て。
輝くんが当人をはばかってか小声で俺に告げる。彼の視線を追うように校門へ目をやれば、そのうつくしさ、周囲を恍惚させるほどの一人。見た目は人間のそれだったが、側頭部からそびえる四又のシカ角がその人をよく説明していた。
ルミエールは(その実明確に人間と違いがあるのだと先生が言っていたが)反芻亜目の角を生やした人間で、人の心や記憶に干渉する魔法が得意な生き物だ。
その角は水を清める力があるため狩猟の対象になった時代もあったものの、一度怒らせると気性が荒く強大な魔法を使うため、絶滅するはめになったのは狩猟者のほうだったのだ。まあ、ちょっと身近な妖精のようなものだ。職員玄関の方から駆けてきた風丸先生がアフロディ、とその人を呼ぶ。
「わざわざ悪い。･･･相変わらずお前は老けないな」
「老いが出にくい種族だからね」
くすりと微笑んだその姿があんまりキレイで、通りすがりの生徒が男女問わずぼんやり見とれながら、後ろ髪引かれるように歩いてく。ほそ身ながら肩が広いし首が筋張ってるから男性なんだろうけど、見てると落ち着かないからなんか心臓に悪いなあの人。
俺はなんだか霧野先輩のことが思い浮かんで、心中苦笑いしながら煩悩をかき消した。あの人は見た目だけだ･･･。アフロディさんも、そういえばこの前霧野先輩が言っていた"腕利きの魔法つかい"の一人なのかもしれないな。
「･･･何か起きるのかな」
「･･･めずらしーね、輝くんがそういうこと言うの」
「ただの迷信だって分かってるけど･･･なんとなく」
はは、と困り眉でわらう輝くんを心配症だとからかいながら、その実俺も施設にいた頃のおとぎ話を思い出した。･･･ルミエールはその角でこれから起こる不幸を感じとり、そのついを見るために人里に降りてくるんだって。
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ヅカ(プロフ) - レアノさん» レアノさ〜ん(;;)(;;) かなり自己満な小説なので皆さまがどうお思いになるか定かではありませんが、いつも通りいかせてもらうので是非見守ってやってくださいp(^-^)q まったり更新でがんばりま〜す！ コメントありがとうございました！ (2021年8月7日 22時) (
レス) id: b8ee486810 (このIDを非表示/違反報告)
レアノ - 御伽噺のようなお話の作り方が大好きです。マサキと夢主とヒロトのこれからがどうなるのか続きがとても楽しみです。更新応援してます。 (2021年7月24日 14時) (レス) id: a91aad1e54 (このIDを非表示/違反報告)
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