【11】浴槽の中の天使 ページ11
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「･･･で、またここに来たんだ？」
「もうここしか心当たりがないんだ･･･」
教務室よりいく倍も埃くさいなか、ややささくれ立って指が痛んだが、木製椅子なんかを片っぱしから持ち上げて、目当てのものが転がり込んでいないか確認していく。怪訝と呆れを浮かべた顔のヒロトさんに関しては、今ばかりは放置しておく他ない。
クソ、あんまり散らかり過ぎていやしないかこの教会。ただでさえ先生には教会に行ったことを知られたくないのに･･･。ジャケットをなるべく綺麗な場所に放り、校章が刻まれたカフリンクスを外して腕まくりすると、ヒロトさんが「ねえ、」とこちらを呼んだ。
「探しものはこれ？」
「そ、それ！！ なんだよ持ってたのかよ･･･！」
「今見つけたんだ」
万年筆を弄ぶようにくるくる回しながら、ヒロトさんは物珍しげにそれを見つめた。小窓からの陽光にルビーの髪が赤くうつくしく照らされている。反して肌はいやに白っぽく、陰では青が差し込むほど虚弱な印象を思わせた。
「かなり上等なものだね。ボディがめのう石でできてるじゃないか」
「そうなんですか？ 俺の"先生"にもらったものだからよく分からないけど･･･」
「へえ、マサキ。きみ、教示を受けるひとがいるの」
これってそんなものだったのかと、改めて傷がないかよく確認する。金目がどうとかではなく、先生が俺を引き取ったときにくれた万年筆なので、思い入れ深くて大切にしているのだ。(照れ臭いので先生の前ではそんな素振り見せないが)
しっかし、俺が荒らしたのもあるが、よく見てみるとひどい教会だな。これだけ廃れてよく役所に壊されていないものだ。何故かまたヒロトさんもいるし、彼はこのあたりの住みなのだろうか。
「マサキ。探しものは見つかったんだろう。ここは危ないから来ない方がいいよ」
「よく言いますよねえ。ヒロトさんこそどうしてまたこんなところに」
「俺ときみでは、事情が違うからね」
俺が納得できなさげな顔をつくったのがあからさまだったのか、ヒロトさんは小さくため息をついた後、倒れた柱に腰かけたまま人さし指をはじくような動きをした。
「俺がきみより上手の魔法つかいってところかな」
「熱"っ！！」
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ヅカ(プロフ) - レアノさん» レアノさ〜ん(;;)(;;) かなり自己満な小説なので皆さまがどうお思いになるか定かではありませんが、いつも通りいかせてもらうので是非見守ってやってくださいp(^-^)q まったり更新でがんばりま〜す！ コメントありがとうございました！ (2021年8月7日 22時) (
レス) id: b8ee486810 (このIDを非表示/違反報告)
レアノ - 御伽噺のようなお話の作り方が大好きです。マサキと夢主とヒロトのこれからがどうなるのか続きがとても楽しみです。更新応援してます。 (2021年7月24日 14時) (レス) id: a91aad1e54 (このIDを非表示/違反報告)
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