忌血の巫女【狗巻棘】

※十一話 ページ14

まだ狗巻side続きます



｢飲んで！｣

必死に自分の口に血を流し入れようとする少女に答えるようにその血を飲んだ

するとあれだけ痛かった手の痛みがすっかりなくなっていて傷もついていなかった

｢ごめんね、私に触れるとみんな溶けだしてしまうの。無機物とかは平気なんだけど生き物は肌に触れるだけ溶けて消えてしまうの。それは私の血を体内に取り込めば触れてしまったあとでも元通りになるし、私に触れられるようになるのだけれど｣


自分が傷は大丈夫かと心配すると少女はコロコロと鈴を鳴らすように笑いながら


｢これくらいすぐ治るよ｣

といった



｢ねぇ、また会えるかな？｣

そう寂しげな目でこちらを見つめる少女にたまたま持ってきていた少し大きめの指輪を少女の人差し指にはめた、約束だと言うように

今度は少女は笑顔で少女が着けていた組紐を自分の腕につけてくれた

最後に少女の名前を聞いた
少し驚いたような表情をしたが今までで1番嬉しそうな笑顔で
｢神代結乃だよ！｣
と大きな声で答えた



※ここから戻ります


歩きながら昔のことを思い出しぼーっと結乃の背中を見ていると真希が｢着いたぞ｣という


乙｢お邪魔します｣


それぞれ真希の部屋に上がる


真希｢呪具置いてあるから下手にいじるんじゃねぇぞ｣


パ｢さすがに、すごい数だ｣


｢その金庫も呪具が入ってるの？｣


真希｢あぁ、1等危険なもんはそこにしまってある｣


呪具が置いてあるせいか見物もそこそこにとうとう結乃の番が回ってきてしまった

真希の隣である結乃の部屋に雪崩るように勢いよく入ってきた

そこに広がっていたのは壁一面の本棚と天井にはぬいぐるみがハンモックのようなものに乗せられていた

パ｢どっちもすごい数だな｣


乙｢ぬいぐるみかわいいね｣


狗｢しゃけ、ツナマヨ(ぬいぐるみと本好きなんだね)｣



パ｢真希と違って女らs(((ｺﾞﾌｯ


真希｢あ゛？絞めるぞ？｣


無礼なパンダには真希から鉄拳が下った

パ｢ごめんごめん、許して｣


真希｢パシらせる｣


パ｢仰せのままに｣


パンダはしばらく真希のパシリになることが決まった

乙｢あ､はは…………｣(これは笑っていいのかな……？)


そしてこの部屋の主はぬいぐるみ大好きという自分らしからぬものを見られて部屋の隅で落ち込んでいた


(こんなぬいぐるみとか絶対自分のキャラじゃないのに…………)

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