7.不破先輩?雷蔵先輩? ページ9
気まずい空気の活動を終え、私は食堂にいた。
「うーん、Aランチもいいし、Bランチもいいよなぁ…」
私はいつもここで迷ってしまう。
食堂のおばちゃんが作るご飯はどれも美味しいんだもの。
迷っても仕方ないよね。
……でも、決めないとな。
まぁ、私以外にも迷う人がいるからなぁ。
「Aランチと、Bランチどっちにしよう…?」
ほら、来た。
五年ろ組不破雷蔵先輩。
不破先輩は私に気付き、ニッコリと笑ってくれた。
破壊力の凄さ。
「あっ、Aちゃん、君も迷ってるの?」
「は、はい。どっちにしようかなぁって、迷っちゃって…」
「うんうん。僕もなんだ。……そうだ!僕と半分こしない?」
「いいですね!そうしましょう!」
私たちは、ランチを受け取り、隣り合って座った。
……けど、
「不破先輩?近くないですか?」
「えぇ?そうかな?」
「む、不破先輩はこの距離感が普通なんですね」
太ももと太ももがくっついているこの距離感が普通とは。
さすが、不破先輩だ。
「おっ、A。雷蔵と食べてるのかぁ…」
「三郎先輩…!こんにちは」
五年ろ組、鉢屋三郎先輩。
変装の名人で、いつもは不破雷蔵先輩に変装している。
私は、たまに変装のコツや悪巧みのコツを習っている。
「こんにちは。……そんなにくっつく必要ってあるのか?」
「えっと、不破先輩がこの距離感が普通だって…」
「そうか。じゃあ私もその距離感でいこうかな?」
「え?」
なんて驚く隙もなく、三郎先輩は私の隣に座られた。
もちろん、不破先輩の反対ね。
「うぅーん?不破先輩、更に近づいてきてますが…。三郎先輩も!少し離れられますか…?」
「Aのお願いは聞いてあげたいけど、今回のは無理な要求だな」
と、三郎先輩に耳元で言われ、不覚にもドキドキしてしまう。
「ご飯が…食べれません…」
「あぁ、そうなの?僕が食べさせてあげようか?」
不破先輩は自分を指差す。
「いっ、え!大丈夫です!早く食べちゃわないと……」
「だってよ、雷蔵」
「そっかあ…、残念」
私も残念…じゃなくって!
「それじゃあ、僕を雷蔵先輩って呼んで!」
「雷蔵…先輩?」
「うん、いいね。これからもだよ?じゃあ、早く食べよっか!」
なんか…うまく丸め込まれた?
私は、ぎゅうぎゅうされながら、ランチを食べた。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年11月30日 7時