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8.アルバイト ページ12

「Aせんぱーい!」

ある日、穴を掘っていると名前を呼ばれた。
この声は…

「どーしたの、きり丸」

「また穴掘ってるんですか?綾部先輩みたいになりますよ」

「喜八郎みたいに?それは…嬉しいかも」

「え?」

「だって、あのマイペースな自由人みたいってことでしょ?私もああなりたいんだ」

自分のしたいことに全力で取り組める人って格好いいじゃない。
そう付け加えれば、きり丸に何か悟られたような目をされてしまった。

「そ、それより、どうしたの?」

私をピンポイントで呼んでいたということは何か用事があるはずだ。

「あ、忘れてました。えっとー、アルバイトを手伝ってくれませんか?」

「アルバイトを?良いけど、何の?」

「えっとー、ジャム売りです」

「じゃむ…?」

「はいっ、とっても甘いんですよ。俺、作れるんで今度作ってあげますね」

「ありがとう!」

きり丸に抱きつくと、へへっ、と笑われてしまった。
本当、可愛い!

〜〜〜〜

「「さあ、レッツゴー!!」」

ちょっとだけおめかしをして、髪はタカ丸さんに結ってもらった。
きり丸は女装している。
何でも、こっちの方が売れるんだとか。
恐らく、私も引き付け役として呼ばれたんだろう。

「こんな天気が良くなるなんてねぇ〜」

「はい。絶好のアルバイト日和です」

「だね」

こうしてるときり丸が妹に見えてくる。

「きりま…じゃなかった。きり子は、本当、美人だね」

「ありがとうございます。自分の容姿は自分で把握しとかないと。それがプロのアルバイターです!」

「なるほど……。私は…うーん。容姿は自覚しているつもりなんだよねぇ。でも、抱きついたり薄着になると全く理解してないよ!っていろんな人から言われるんだけど…」

「は、はあ…」

「いや、そんな目で見ないで。本当に、自覚してるの。他の子より体も発育が早いし、顔だってまぁまぁ良いとは思ってる。滝ほどではないけど、認めてはいるの。だからくの一になれると思ったし」

くの一では色仕掛け等もするため、女性らしい体つきが好まれる。

「じゃあ何で抱きつくんですか」

「だって…。可愛いじゃない。先輩や同輩には抱きついてないよ」

「ふぅん…」

きり丸はジトッとした目を向ける。
少したじろぎ、すぐに前を向いた。

「庄左ヱ門や三郎次がからかい甲斐があるの」

誤魔化すように言えば、

「A先輩っていじめるの好きなんですか?」

とあらぬ疑いをかけられた。

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設定タグ:忍たま乱太郎 , 二次創作   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年11月30日 7時

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