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｢あれ？…伊野尾ちゃん。何してんの？こんなとこで｣
｢気晴らしに散歩？…みたいな？…やまだは？｣
｢俺？あぁほら、あそこの店。友達がやってんの。久しぶりに顔だしてきた｣
｢…そっか。じゃあ…｣
いたたまれなくてそそくさとその場を去ろうと背を向けると、後ろから名前を呼ばれた。
｢伊野尾ちゃん。この後…暇？｣
その声に振り向くと、街灯を背にした山田のシルエットがくっきりと浮かび上がっていた。
大好きだったシルエット。
男っぽいのにスマートなシルエット。
小さい背も
力強い手も何もかも。
大好きだった。
思わずじっと見つめてしまう。
｢…伊野尾ちゃん？大丈夫？｣
｢え？！あぁごめん。…うん、空いてるよ｣
馬鹿か、俺。
いい加減にしろよ。
｢よかった。ご飯でも行かない？せっかく…会ったんだし｣
2ヶ月ぶりの2人きりに若干気が引けたけど、ここで断るのもわざとらしいと思い素直に、いいよと返事をした。
山田が柔らかく微笑んで俺の隣に来て2人並んで今来た明るい通りの方へ歩き出した。
相変わらず混んでいる道。
山田が隣にいるにも関わらず、いやたぶん隣にいるからこそ、余計に気分が落ち込む。
出来れば恋人として、今この時隣にいて欲しかった。山田の隣にいたかった。
ベンチに手を繋いで腰掛けているいかにも幸せそうなカップルを思わず睨みつけてしまう。
俺の視線に気づいて、山田もちらりとそちらを見た。
｢クリスマスっていいよね。みんな幸せそうで、こっちまで幸せな気持ちになるんだよね｣
そう言って幸せそうに、でもどこか哀しそうに山田は目を細めた。
｢まわりが幸せだと俺も幸せ。幸せ分けてくれてありがとうって…｣
山田の言葉にハッとして、思わず足を止めた。急に立ち止まった俺を山田が不思議そうに見てくる。
｢どうしたの？なんか用事でも思い出した？｣
｢いや…そうじゃなくて。ううん、ごめん。なんでもない｣
年上のくせに自分本意に周りを見ることしか出来なかった。
なんで俺ばっかりって。
まわりの幸せを恨むことしかしなかった。
山田の方がずっと大人で、
山田の言葉に柄にもなく自分をひどく恥じた。
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凛(プロフ) - 白米と猫さん» 返信がめちゃめちゃ遅れました…！ごめんなさい…！ 読んでいただきありがとうございます！！ 最後の方がグダッてしまいましたが、私自身ニヤニヤしながら書いたので白米と猫さんにも楽しんでいただけて大変嬉しいです^ ^ (2017年1月9日 22時) (
レス) id: 53968e2e24 (このIDを非表示/違反報告)
白米と猫(プロフ) - クリスマスのやまいの最高です！！ (2016年12月26日 0時) (レス) id: f122806c5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - とても面白いです(^o^)いのやま好きなので案Aがいいです！更新楽しみしてます！ (2016年7月28日 2時) (レス) id: 41358da221 (このIDを非表示/違反報告)
しおり - どちらも素敵なのですが、案Aのやまいのの続きが気になるのでAを希望します！ (2016年7月3日 23時) (レス) id: 83528b9846 (このIDを非表示/違反報告)
いのやま - 案Aがいいです！いのやまの続きが読みたいです！ (2016年7月3日 23時) (レス) id: 894b723aeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛 | 作成日時：2016年5月1日 23時
