ゲタ吉と名前呼び ページ10
その後、田中くんと彼の父と帰る時間まで雑談をした。
彼の父が、田中くんが学校で友達とどう過ごしてるかを聞いてきたが、あまり答えられなかったのは仕方ない事だろう。
田中くんが家まで送ってくれるって言うので、お言葉に甘えて送ってもらう事にした。
最初は断ったんだが、二人して女の子一人じゃ危ないと言ってきたものだから仕方なくだ。
帰る時には彼の父が見送ってくれた。
帰り道、黙って歩いていると横から田中くんが喋り出す。
「Aちゃん、もうゲタ吉くんって呼んでくれないんですか？」
「あれは、君のお父さんと区別つける為に言っただけだから。」
そう言うと、不満だという事を全体的に醸し出す彼。
不満な事が多い男である。
私は呆れて溜め息を吐きながら、提案するように言った。
「お願い、使ったら？後2個も残ってるし。」
「その手があった！」
今思い出したとでも言うように手をポンと叩くと嬉々として言う。
「それでは、これから一生ぼくの事名前で呼んでください！」
「一生？」
「一生です！他の人は呼ばないでくださいネ！ぼく嫉妬で狂うかも！」
彼が嫉妬した時の様子を思い出して、私は少し笑う。
「そしたら私、ゲタ吉くん以外と付き合えないんだね。」
ふざけて名前を呼べば、気持ち悪い程に口角をあげて満面の笑みを浮かべる彼。
「勿論です！ぼく以外と付き合う事自体大問題ですヨ！」
そう一言吐いて、ゲタ吉くんはそれはもう嬉しそうに手を繋いで、家まで走った。
家に着くと彼は少し悲しそうにする。
「走ったぼくが馬鹿でした…。Aちゃんとの時間が減ってしまった…。」
「また遊べるでしょ、夏休みはまだあるよ。」
「また遊んでくれるんですか！？やった！」
まるで私が遊んでくれないかのように言うものだから、少し複雑な気持ちになった。
だがそれよりも、暑いし早く中に入ろうと彼に挨拶をして背を向けようとした時だった。
「待って、最後にハグしてってください！」
「ハグ？いつもしてるじゃん。」
「ぼくからならいつもしてますけど、Aちゃんからして欲しいんです！」
そう言って腕を広げる彼。
そんな屁理屈を言い出す彼に、呆れながらも私は彼に抱き着いてやった。
「これでいい？」
彼の顔は見えないが、嬉しいという事は雰囲気から受け取った。
満足したようなので、離れて彼に挨拶をする。
「此処まで送ってくれてありがと、それじゃまたね。」
私は彼の嬉しそうな顔を背に、家の中へ入って行った。
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ミネ丸(プロフ) - ルーシュ1101さん» ルーシュ1101さん、読んでくださりありがとうございます！遅めの更新かもしれませんが、飽きずに待っていてくださると嬉しいです！ (2月21日 3時) (
レス) id: 8755400abf (このIDを非表示/違反報告)
ルーシュ1101(プロフ) - 最近〓くんにハマったばっかりなので〓くんの小説で更新されているものがあって凄く嬉しいです！！！これからも更新頑張ってください！！ (2月20日 18時) (レス) @page5 id: e241173cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミネ丸 | 作成日時：2024年2月3日 4時
