ゲタ吉と水泳 ページ3
最近、田中くんがよく学校に来る。
もうすぐプール開きがあるからだろうか。
しかし、恐らくそんな事で学校に来るような人ではないと思い、熱でもあるのではないかと心配したが、何だかよく分からない事を言いながら逆ギレされた。
「ぼくのでありながら、たかが水泳の授業の為だけに肌を曝け出すなんて、けしからん事この上ない！」
そう私に怒るが、いつ私は彼のモノになったのだろうか。
それに私は肌が焼けると荒れるので、ラッシュガードを着るから肌を曝け出す事はない。
そう言えば彼はそれでも怒っていた。
「そんな事はどうでもいいんです！例えらっしゅがーど？を着ようが、着替えはどうするんです、着･替･え･は！他の人に裸を見られる事になるんですヨ！？そんなの許せない！」
着替えと言ったって、更衣室に入るのは女子だけだし、男に見られる事はまずないと思う。
それに、裸を他人に見せるのに彼の許しがいるなんて、それはまた可笑しな話だ。
そう言うが、それでも納得しない彼は、長い腕をブンブン振り回しながら顔を真っ赤にして言い返す。
「嫌だ！Aさんの裸はぼくだけのモノだァ！」
とても語弊のある言い方をする。
取り合えず彼の事は無視して、更衣室に行こうとすれば凄い力で後ろから引っ張られた。
これでは更衣室に行けないので、引き剥がそうと掴まれた腕を力付くで取ろうとするも、矢張り剥がれることはなく寧ろ力は強まるばかり。
私は呆れて何も言えなくなり、そのまま先生の所へ向かった。
「先生、今日の水泳の授業見学してもいいですか？」
「…単位は下げないでおくよ。」
「とても助かります。」
私の見学するという発言に気を良くしたのか、田中くんは私に抱きついて、それはそれは嬉しそうに頬を擦り合わせた。
プールサイドの日陰で、田中くんと二人、無言で座って授業を観察する。
暑いからプール入りたかったなと、物思いに耽っていると水をかけられた。
「冷た！」
「フフフ、水鉄砲です。」
「何処から出してきたの？」
「さあ？」
とぼけた様に言う彼に、私は首を傾げた。
そんな私を他所に、彼はどんどん水をかけてくる。
止まらぬ攻撃に耐え兼ねて、彼の頬を抓った。
「いひゃいれすよ〜。」
「然程痛そうじゃないじゃん。」
それでも水をかけようとする彼に、服が濡れたらどうするんだとまた強めに頬を抓った。
それでも痛そうどころか嬉しそうにする始末。
私は諦めて頬を離し、そのまま座り直してまた黙って見学を続けた。
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ミネ丸(プロフ) - ルーシュ1101さん» ルーシュ1101さん、読んでくださりありがとうございます！遅めの更新かもしれませんが、飽きずに待っていてくださると嬉しいです！ (2月21日 3時) (
レス) id: 8755400abf (このIDを非表示/違反報告)
ルーシュ1101(プロフ) - 最近〓くんにハマったばっかりなので〓くんの小説で更新されているものがあって凄く嬉しいです！！！これからも更新頑張ってください！！ (2月20日 18時) (レス) @page5 id: e241173cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミネ丸 | 作成日時：2024年2月3日 4時
