ゲタ吉と海 ページ15
翌日、彼は宣言通りに私の家にやって来て、私を見るなり勢い良く飛び付いて来た。
「Aチャーン！ぼくが来ましたヨ〜！」
「ゲタ吉くん、苦しい…。」
「エヘヘ、すみません。」
謝罪は貰ったが、腕の力は一向に抜ける気配がしない。
寧ろ強くなっていく上に、何だか嬉しそうだ。
何なら少し気持ち悪い程に笑みを浮かべている。
「どうしたの？そんなニヤニヤして、何か企んでるの？」
「ヤダな〜、人聞きの悪い。何も企んで…あ！そうだった！」
「え、ほんとに企んでたの？」
彼の発言にマジだったのかと少し驚けば、彼から即座に否定が入った。
「違いますヨ！Aちゃん、一緒に海に行きましょう！」
「海？」
「はい！あ、海、嫌いだったりします…？」
「いや、別にそういうんじゃないけど。」
彼からの突拍子もない発言に驚きはしたものの、別に海が嫌いな訳じゃない。
唯、私は学校の指定水着しか持っていないのだ。
彼にそう言えば、彼はどこから出したのか私に紙袋を渡してきた。
「何これ？」
中身を見なくとも何となく分かったが、恐る恐る見てみれば矢張り私の予想通り。
私好みの水着が入っていた。
何故私の好みが分かったのだろうか。
「プレゼントです！こういうのお好きでしょ？」
「まあそうだけど…これのお金はどこから…？」
「バイトして貯めたやつを使いました！後、ちょっとゴリ押しで値下げを。」
何したんだろうかという考えが真っ先にきたが、これは彼からのプレゼントなので、取り敢えずお礼を言っておくことにした。
「ありがとう、わざわざ水着用意してくれて…。」
「いえ！ぼくがしたかっただけだから、いいんですヨ！」
彼の生活は貧しい筈なのに、こんなのにお金使って大丈夫なのだろうかと要らぬ心配をする。
私にプレゼントとして水着を買うよりも、自分の生活費の足しにした方が良かった気がするが、これはある意味彼からの気持ちなので、有難く受け取る事にした。
「それじゃあ海に行きましょう！」
「ま、待って、どうやって行くつもり？海って結構遠いけど…。」
「車で行きます、彼奴の運転で。」
そう言う彼について外に出てみると、ねずみ男さんが車のエンジンをかけて待っていた。
「ねずみ男さん、これは…」
「そうよ！俺の車！」
「まさか盗んで…？」
「違うわ！あんた、俺の事なんだと思ってんだ！」
流石にいくら貧乏でも盗みはしないかと少し安堵した。
ゲタ吉くんはしなくとも、ねずみ男さんはやりそうだ。
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ミネ丸(プロフ) - ルーシュ1101さん» ルーシュ1101さん、読んでくださりありがとうございます！遅めの更新かもしれませんが、飽きずに待っていてくださると嬉しいです！ (2月21日 3時) (
レス) id: 8755400abf (このIDを非表示/違反報告)
ルーシュ1101(プロフ) - 最近〓くんにハマったばっかりなので〓くんの小説で更新されているものがあって凄く嬉しいです！！！これからも更新頑張ってください！！ (2月20日 18時) (レス) @page5 id: e241173cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミネ丸 | 作成日時：2024年2月3日 4時
