田中ゲタ吉という男 ページ1
私のクラスメイトの田中ゲタ吉くんは、謎の多いクール男子に見えて、女遊びの激しい不良である。
学力はないのに学校は極稀にしか来ない、来たとしても学校行事の日が殆ど、別の日に来たと思えば授業中は寝ている。
これの何処を不良じゃないと言えよう。
オマケに彼は女遊びがとても激しい。
きっかけは恐らく、学校のマドンナであるユリ子さんと付き合ったのだが、3日も経たずに振られたのが原因だと私は思っている。
しかし、実際はどうかは知らない。
そもそもの話、彼は美人に弱いと聞いたので、主にそれの所為だとは思うが。
何故そんなに彼の情報を持っているのかというと、現在進行形で彼が私に言い寄って来ているからである。
私は別に知りたくもないのだが、彼が私に会う度に要らない情報を渡してくるのだ。
不良の件は彼が私の隣の席であるから、勝手に入ってくる情報である。
しかしこれらももう、学校の生徒には周知の事実である。
そんな彼との出会い方はまるで少女漫画の如し、なんて事はない。
彼が転校して来た日に、私は彼の学校案内役を務めた。
先生が、誰か彼の案内役をやってくれと希望者を聞いたのだが、周りの女子達は彼の第一印象のクールでカッコイイ容姿に釘付けになり、それはもう激しい案内役争奪戦が始まる所であった。
しかし私は普通に面倒だという理由で、その争奪戦からスッと抜けていた所を彼に捕まり、「この子に案内してもらうんで大丈夫です。」と大きな原子爆弾を投下したのである。
その時の女子達の視線は忘れもしない。
針山の如き殺意の視線が、私に向けられた。
案内役を降りたくて言葉を発しようとした所で、彼に口を塞がれた。
その手は乾燥していたのを覚えている。
腹が立って、露骨に足を踏みつけたのだが、彼はピクリともせず、彼に教室の外に攫われて無理矢理案内役となったのだ。
ようやく口を離されて一言言ってやろうと顔を見たら、彼は異様な程に嬉しそうにニコニコしていた。
そんな彼だったが、今では不良で名が通っているので、彼のカッコイイという印象は崩れ落ち、人気は衰えた。
そのお陰で、私は女子からの殺意の視線から逃れられた訳だが、その代わりに、女子だけでなく男子からも哀れみの視線を向けられる事となった。
知ってるんだぞ女子共！言い寄られてるのが自分じゃなくて良かったって思ってるの！
男子も哀れむくらいなら助けてくれってんだ！
兎も角、そんなこんなで私は、彼こと田中ゲタ吉くんに言い寄られてる身である。
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ミネ丸(プロフ) - ルーシュ1101さん» ルーシュ1101さん、読んでくださりありがとうございます！遅めの更新かもしれませんが、飽きずに待っていてくださると嬉しいです！ (2月21日 3時) (
レス) id: 8755400abf (このIDを非表示/違反報告)
ルーシュ1101(プロフ) - 最近〓くんにハマったばっかりなので〓くんの小説で更新されているものがあって凄く嬉しいです！！！これからも更新頑張ってください！！ (2月20日 18時) (レス) @page5 id: e241173cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミネ丸 | 作成日時：2024年2月3日 4時
