倦怠期 Hokuto.M ページ29
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side you
"ごめん、今日会えなくなった"
バイト終わりに携帯を開くと、彼からそう連絡が来てて、"またか…"と、おもわずため息をついた。
「ため息なんてついてどったのよ」
「…北斗にドタキャンされた」
「えっ⁉また⁉」
「うるさいな…」
「いやいや…だってこの前もドタキャンされて俺が代わりに飲みに付き合ってやったばっかりじゃん」
「……」
「…喧嘩でもしたの？」
「してない」
「じゃああれか…倦怠期ってやつか…」
「…」
「…ごめんて、話聞いてやるから元気出せって」
そう言ってくれた樹に連れられて、バイト先の近くの馴染みの居酒屋に来た。
「で？いつから北斗が冷たくなっちゃったの」
「…ここ3ヶ月かな。デートとか会う約束しててもドタキャンされることが多くなって、連絡とかしても無視とかザラにあるし…仮に会ってもそっけないし…」
「喧嘩ではないんでしょ？他に思い当たる節は別はないの？」
「……正直全然ない」
「あの北斗がAのことをほったらかすとは思えないんだけどね〜どうしたんだろマジで」
「…もう私のこと嫌いになったのかな」
「だったらとっくに振ってるだろ」
「浮気してるけどとりあえずキープしてるとか…」
「北斗はそんなことしない」
「……ｸﾞｽｯ」
「ああもう、泣くなって」
「だってぇ…」
「とりあえず今日は飲んで忘れな！俺から北斗に探り入れといてやるから！」
「うん…ありがと樹…」
そういって樹は私が酔い潰れるまで付き合ってくれて、飲み過ぎた私はいつの間にか眠ってしまっていた。
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作者名：哀 | 作成日時：2020年9月15日 2時
