メリーバッドエンド (ページ26)

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ふわふわと雪が舞っている街はクリスマスの魔法にかかって、たくさんの光が集まり眩しいくらいに煌めいている。

そんな魔法の力を借りて、俺は君ともとへと駆けていく。

クリスマスの魔法で、誰かが君の前に現れて君を連れ去ってしまうまえに、どうか間に合いますように。

ホームに滑り込んできた電車に飛び乗って3駅先の樹の最寄り駅で降りる。

ケーキ屋の名前聞いておけばよかった…なんて思いながら改札を出ると、聞き覚えのある声がした。

声のする方を向くと、サンタさんの格好をしたAがショーケースのそばに立って、道ゆくお客さんに声をかけていた。

「クリスマスケーキいかがですか～…って、あれ？ジェシーくん」

「はあっ…よかった…まだいて…」

「え？あ、ケーキ買いに来たの？ちょうど最後のひとつだよ！」

「ちがう……いや、買う、ケーキ買う！だからさ…一緒に食べない？」

「…え？」

「バイトの後、空いてる？」

「空いてるけど」

「じゃあ、デートしよう」

「へっ！？どうしたの急に」

「クリスマスなんだからさ、いいじゃん」

「いや、あのっ、急すぎて」

「もし誰かにA取られたら嫌だな～と思って急だけど来た、だから」

"クリスマスの夜、俺にちょうだい？"

その瞬間、街の明かりや星の明かりがより一層煌めきを増して、俺たちを優しく包んで照らした。

クリスマス・マジック / END

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