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杯を重ねてしばらくすると、Aが急に俺の方に頭を乗っけてきた。
「…A大丈夫？うわっ、だいぶ顔赤いじゃん」
「…んへへっ、じゅい〜」
「いや、名前言えてないし(笑)」
「テキーラ舐めてたぁ〜こんな簡単に酔えるなんてさいこう」
「だから言ったっしょ？効率いいって」
「う〜ん、マズいけどこれは樹が飲むのもわかる…」
「ははっ、そろそろやめとこうか」
ここまでベロベロに酔ったAを見るのは初めてで、なんだかドキドキする。
とりあえずテキーラを片付けようとソファを立つと、何故かAも後ろをついてきた。
けどその足取りはとてもおぼつかなくて、ちょっと飲ませ過ぎたことに気がついた。
「ちょ、危ないからついてこないでソファ座っとけ！」
「やらぁ〜じゅりと離れたくない！」
そういってグラスを洗う俺の背中に抱きついて頭をぐりぐり押し付けてきた。
「ねぇ〜グラスより私に構って〜」
「すぐ終わるから待っとけって」
「やら！今すぐ！！」
「あ〜わかったから！ほら終わったから一旦離して」
普段割とドライなAが酔っ払うとこれほど甘えたになるなんて予想もしなかった。可愛すぎてどうにかなりそうだ。
いいことを知ってしまったなんて若干ニヤけつつ、振り向くとAは床にしゃがみ込んでいた。
「うわっ、大丈夫？気持ち悪い？」
「んふふ、全然大丈夫」
「ほんとに？ほら、立てる？」
「あれぇ〜？立てない、なんでぇ？ん〜…むり！じゅり、だっこ！」
「ははっ！お前酔うとめちゃくちゃ可愛いな」
「私は酔ってなくても可愛いもん！」
「あ〜ごめんごめん、そうだね」
''全然気持ちこもってない！''なんてぷりぷりしてるAだけど、お姫様抱っこしてベットまで運んであげれば、''きゃ〜お姫様だっこ！''なんてあっという間にご機嫌になって俺の首に抱きついてきて、もう俺の中で色々なものがキャパオーバーしそうだった。
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作者名：哀 | 作成日時：2020年9月15日 2時
