テキーラ・ショット Juri.T ページ12
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''今から家行ってもいい？''
今日は飲み会だと言っていたはずのAからそう連絡が来て、何かあったのかなと思いつついいよと返事を送る。
しばらくするとインターホンが鳴ったのでドアを開けると、いつもより少しお洒落な格好をしたAが立っていた。
「おじゃましまーす」
「どうぞ〜、てか飲み会はどったの」
「それが友達が早々に酔い潰れちゃったからすっごい早くお開きになったんだよね」
「あらま、残念だったね。じゃあ飲み足りないんじゃない？(笑)」
「まぁ逆に今まで飲み足りたことがないんだけどね(笑)」
「あ〜そういえば、Aが酔っ払ってるところ見たことないかも」
「でしょ？ほろ酔いはあるけど完全に酔っ払ったことってないんだよね」
「お前意外と酒強いのに可愛い酒しか飲まないもんな」
「だって強いお酒は味が嫌いなんだもん」
「まあさ、そう言わずにせっかくだから試してみない？」
「え〜なにを？」
「自分の限界」
そういって俺はいつも自分がよく飲んでるテキーラとライムとショットグラスをAの前に並べた。
「うげ〜ヤダ絶対まずいじゃん」
「まぁまずいよ(笑)でも量いかずに効率よく酔えるからさ」
渋るAに無理矢理ショットグラスとライムを握らせてテキーラを注いだ。
「さぁ、一気にクッとどうぞ」
「…」
「味わったらまずいからゆっくり飲んだらダメだよ？」
「…」
「万が一の時のためにも限界知っとこうぜ」
そういうと、Aは覚悟を決めたように一気にテキーラを飲み干した。
「ん〜……！マズイ…！！！こんなの人間の飲むものじゃない！」
「ほら、早くライム齧って、楽になるから」
「…ほんとだ、味消えた」
「でしょ？ほら、次いくよ」
「ちょっ、待ってよ…もういくの」
「ほら、クッといっちゃえ」
最初こそ抵抗してたものの、味にだんだん慣れてきたようで、スムーズにテキーラを飲み干してライムを齧るようになった。
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作者名：哀 | 作成日時：2020年9月15日 2時
