蝶のいた図書室 (ページ6)

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四冊目【来客】ページ6

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「こんにちはー」

「Aさん！」

カウンターから身を乗り出すエーミール。

そんなに喜ぶ事なのか？

「来てくださったのですね！」

「まぁ、委員会ですし」

あー、めっちゃ目がキラキラしてるよ…。

そんなに嬉しいのか？私が来たの？

「今日私以外で図書室に来たのAさん
位ですよー」

「え、そんなに？」

こんな静かで沢山本あって広いんだから

文学少女とか文学少年の一人や二人来てても

なんらおかしくないんだけどなぁ…。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

「エーミール、と利用者か……珍しいな」

……いかにも悪そうな人来た。

圧がヤバい顔してる(失礼

あ、けど女にモテそうな顔だなぁ…。

顔立ちいいし、綺麗な金髪だし。

……ヤンキー？

「グルッペンさん、どうしました？」

「いや、本を借りに来たんだが……なにか
入荷されたか？」

「戦争とか歴史系は二、三冊位……」

「何処にある？」

「確かここに…」

この人、グルッペンって言うんだー。

グルッペンといいエーミールといい海外に

いそうな名前だな…。

そもそも顔立ちの良さといい髪色といい

帰国子女でもおかしくないな…。

「ありませんね…ちょっとお待ち下さい」

パタパタと図書室を出ていく……え、

ちょっと待って、この人と二人きり！？

やめてくれよ……ただでさえこういうタイプの

男苦手なのに……。

「お前は利用者か？」

いきなり質問してくんな！

てか、名前聞いてから質問が筋じゃ

ないのか！？

「図書委員ですけど」

「ほぉ、珍しい事もあるんだな」

「は？」

「図書委員は大体仕事をサボるんだ
だからいつもアイツ一人で此処を切り盛り
している」

「一人で！？」

「驚きだろ？俺も驚いたさ…手伝おうにも
生徒会の仕事で忙しくてな」

「生徒会……アンタ、書記かなんか？」

「ん？生徒会長だ」

んんん？？？

生徒会長？？この人が？？

ヤベェ……タメ口で話してる…。

「別にタメ口でいいゾ、無駄に気を使われる
のは面倒だ」

あ、緩くてよかった。

「……お前は俺が嫌いか？」

「なんでいきなり」

「目を合わせない、どこかぶっきらぼうだ」

「アンタって言うか……男が嫌い」

「ほぅ、何故？」

言うかよ……くだらない理由だし。

「……何を考えているか分からないからか？」

うわぁ、的確に当てきたぞ

半分当たってるなぁ…。

「きっと、エーミールの事は嫌いに
ならないと思うゾ」

は？