蝶のいた図書室 (ページ22)

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死神は約束を守るページ22

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「……」

目が覚めた。

病院のベッドの上。

私は溜め息を一つ吐いた。

「おはよう」

「……トントンさん」

隣で座っているトントンさんは

ニコリと笑った。

相変わらず真面目そう。

「そっか、こっちを選んだからか…」

「そうやで、アンタはこっちを選んだ
エーミールが愛した世界を」

「……はい」

エミちゃんがいなくても、私は

ｶﾞﾗｯ

「遅くなった」

「グルッペンさん……」

「なんでそんなボロボロなん？」

「お前は本当、約束を守る奴を愛したな」

グルッペンさんが横に避けると

オスマンさんがいた……でも、

子供を抱き抱えてる。

「そ、その子供は……！」

「私も驚いたさ……まさか、死神の力が
残っていたとはな」

オスマンさんは私に近寄ると抱き抱え

られていた子供は私に抱き付いた。

「Aさん」

ぎこちない声で私の名前を呼ぶ。

その子は顔を上げニコリと笑う。

「エミ、君？」

エミ君だった。

両目共白くて足に包帯を巻いている。

「そのエーミール、歩けないらしいんよ」

歩けない……という事は一番最初の頃の…。

「まさか子供になって復活してるとは」

「何がどうなって……」

「一旦地獄へ帰ったんだ、そしたら
マント捕まれて盛大に転んでな……そしたら
コイツがいた」

「そんな奇跡あるんか！？」

「どうやら約束を守らず死んだのを後悔して
復活したそうだ」

「んなバカな！」

理由はどうあれ、嬉しい。

また、失うかもしれない恐怖はある。

けど、嬉しい。

「おかえり、エミ君」

「ただいま、Aさん」