蝶のいた図書室 (ページ17)

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十五冊目【知っている事】ページ17

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私は朝のホームルーム終了後

走って教室を見て回った。

生徒会長がどこの教室にいるか

分からなかったからだ。

「おや、廊下を走るのはダメだろ」

勢いよく振り返る。

ようやく生徒会長を見つけた。

生徒会長はめっちゃビビってたけど関係ない。

「生徒会長」

「ん？なんだ？」

「話があります」

私は生徒会長を連れて屋上に連れていった。

普段鍵が掛かっている屋上は今日は開いていた

「で、話とは？告白ではないだろ？」

「……貴方は、【蝶の箱庭】と
【死神は約束を守る】という小説を
知ってますか？」

「あぁ、知っているゾ」

「教えて下さい、その登場人物達は
実在するんですか？」

「何故俺に聞く？作者であるエーミールに
聞くべきだろう」

確かに、そうかもしれない。

けど、

『生徒会長に聞いてみな、この話を
この二つの物語を』

夢の中の私の言葉が浮かぶ。

きっと、エーミールよりこの人に聞くのが

正しいだろう。

「……夢の中で言われたんです
生徒会長に聞いてみな、この話を
この物語を……って、夢の中の私に……
だから、その言葉を信じて聞いているんです
あの小説が一体なんなのか！私達が見てる
夢はなんなのか！」

生徒会長は沈黙し、そして口を開く。

「世界を、疑った事はあるか？」