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死をもって其の人は幕を閉じろと誰かが呟く。 ページ15

「唐突に死ねと言われても…」


彼女は溜め息混じりに言う。

世羅は嗚呼、と思い出す。


「ごめんなさい、説明しますね。」


説明されても死ぬ気は無いが、と彼女は思ったが

取り敢えず世羅の話をちゃんと聞く事にした。


「うちの軍警が1人、貴方と昔色々ありましたよね。」


(あの子の事か…?)


彼女はどこから得た情報か聞こうとしたがやめた。

面倒事が増えると感じたからだ。


「その軍警の名前はご存知ですか?」

「…記憶が無いんです。」


そう言うと世羅は大袈裟に目を見開いた。


「そうなんですか!?…早く記憶が戻るといいですね。」

「そんな事より、その軍警と俺の死について何か共通点が?」


そう聞くと世羅はニヤリと笑った。

彼女は嫌そうな顔のまま微動だにしない。


「"死神"を捕まえると言っていたんです、面白いでしょ?
あの子じゃ絶対に捕まえられないのに。」

「あの、何の話を…」

「あの子はうちの戦力です、これから戦争等に駆り出されるのに貴方が居たら

邪魔でしょ?

だから、死んでください。」


世羅はやはり笑顔を崩さない。

しかし先程よりも威圧感が増し_______

殺意も持ち合わせた非道の笑み。


「死ぬ気はありません、邪魔しますよ、我等にとって貴方達は敵ですから。」

「…そうですか、では1つ…貴方のお名前を教えて頂けませんか?」


世羅は赤い目を彼女に向ける。

青と赤がぶつかる。


「…龍巳です、東国の漢字という文字でこう書きます。」


さらさらと名前を書くと世羅は三日月の様に口元を歪ませた。


「ありがとうございます、其れでは。」


窓から出て行く世羅を見詰める彼女の目は憂いを帯びていた。


(あの子…強くなったんだ。)


ガチャ、とドアが開く。

月が顔を覗かせた。


「大丈夫だった?」

「…はい。」


月は顔を綻ばせる。


「仕事どうするの?」

「明日やります。」

「珍しいね。」


彼女はパーカーを脱ぎ、本を手に取る。

その脳裏には世羅の笑みが残り、笑った。

その2人は何かを思う、互いに渡り合えずに歪む。→←白い軍警はニコリと笑ったが死神は睨み続けていた。



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龍巳@キチガイ - 一部名前を変えている方もいらっしゃいます、コメント欄で名前を晒すのも止めて下さい。中傷、無断転載も同様です。ルールを守って下さいね。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 感想はこちらのコメント欄にてお願いします、TwitterのIDを載せたりするのは絶対にやめて下さい、評価は星とTwitterのふぁぼでお願いします。 (2016年10月7日 22時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:龍巳@キチガイ | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2016年10月6日 22時

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