魅せられる【名探偵コナン】

王様ゲーム 3 ページ42

命令を淡々とこなし、黙って席についた、コナン君。

…目が据わってるんだが、怒らしたかな？


赤井は気にしていないみたいだが、なんだか悪い予感がする。

コナン君の目から、どうやってコイツらを落としてやろうか…なんて、物騒な事が読み取れるからだ。

『次行きましょう次！！』


それに気づいてて、無視をするAさん尊い。

「「王様だーれだ！」」


「あっ！僕だぁ〜！」

さっきまで心配していたコナン君が、手を挙げた。
さぁ、どうでる？
もうAさん以外本気モードだぞ。

どうやって自分だけ得して、相手を蹴落とすかだけ考えてる。

そう、王様ゲームでこの場がサバンナに変わった。

そんな中楽しそうに、命令を待っているAさん本当可愛い。


「んー、じゃぁねー。
……2番の人が残りのひとを誘惑して！」

「小学生ならぬ言葉出ましたね今！」

「ほぉ、…で、２番は…？」


『わ、私です……』


ちょっと戸惑った様に、手を挙げるAさん、本当持ち帰りたい。

未来のお嫁さんが可愛いすぎて、とりあえずカメラで写真をとっておく。
よし、永久保存版だ。


『その、私、誘惑なんて…やり方分かんないんですけど。』


いや、分かってたら困るから。主に僕が。
心の中で叫んでいると、赤井がワクワクしたように口を開く。

「それなら耳元で、だぁい好きと囁くだけでいいぞ。」


うわ、赤井の目がキラキラしてる。
無表情だけど、めっちゃキラキラしてる。

『…それだけなら…』

しばらくもじもじしていたが、
決心がついたのか、赤井に近づいていく。

そんな嫁の姿も唆られる。
最初が赤井なのは気に食わないが。


Aが耳に口を近づけて、何かを言った瞬間、赤井がパッと立ち上った。

「赤井…？」

そして、黙って扉をあけ外に出る。
コナン君、さっきからニヤニヤ笑ってるんだが。

『あれ、言われた通りにやったんですけど。』

「赤井さんなら大丈夫だよ。」


思わず、何が！？と突っ込みたくなる。

Aさんは、首をかしげながらも、命令を遂行する為に近付いてくる。

あぁ、綺麗だ。本当に。

そして、フワリと顔を近づけたかと思うと、控えめに口が開かれる音がした。

ゴクリと生唾を飲む。

『安室さん、だぁい好き、です。』


囁かれた瞬間、頭が真っ白になる。
え、え？
…とりあえず、一旦引こう。

立ち上がり、扉に手をかけたところで、コナン君の声が聴こえた。


「これぞまさに、生殺しの刑。」

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