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子猫とお茶会 3 ページ38

スヤスヤと眠る、三人。
紅茶は全部無くなって、コップが白く輝いている。

大人の二人はイタズラが成功した時の様に、ニヤリと笑っていた。


『…やっぱり、仕組んでましたか。』


私は、してやったりと笑っている二人にため息混じりに呟く。

二人は、私のやっぱりという言葉に少し驚いた後、流石だと褒めてくれた。

「その様子だと気づいていたのね。」


灰原さんが試すように聞いてきた。
口元は笑っていても、目は鋭い光をともしている。

『紅茶に変な物混ぜないでくださいよ。』

「それは悪ぃと思ってる。でも、ちゃんと砂糖そのものの味がする睡眠薬を使ったろ?」


そう言う問題でもないが…まぁ、彼も考えてくれたということで許してやろう。

彼が、三人の紅茶に砂糖を入れる時に、粉を睡眠薬にすり替えたのだ。


『職業柄、相手の行動の意味を考える様にしてるので。
……それに、あそこまでヒントくれたじゃないですか。』


それは、ケーキを渡す時。

紅茶に入れる砂糖は少なくした癖に、ケーキはお咎めなし。
実際ケーキの方が糖分量は多いので、文句をつけるならこっちだろう。

賢い彼が、見落とすなんてありえない。

つまり、気づかせたのだ。


『…それで?この子達に聞かれたくない話とはなんですか?』

「話が早くて助かるぜ。
……俺は工藤新一だって事は、もう知ってるよな。」


単なる確認。答えを求めてないことは分かった。

「俺は黒の組織にこの小さい体にされた。灰原は同じ薬を使って小さくなった。
元の体に戻りたいのもあるし、色々因縁もある。
つまり、アイツらを追ってるんだ。」

「簡単にいえば彼らの情報がもっと欲しいの。」


灰原さんがバッサリと本題に入る。
それ程彼らも行き詰まっているようだ。

ここまで来たら、次に来る言葉なんて分かる。


『残念ながら、お客さんの情報を漏らす訳には行きません。それが子供のだとしても。』


そう言って彼らの目を見つめると、だろうな、と半場諦めたような声が聞こえた。

すぐに引くなんて、珍しい。

「お前のガードが硬いことぐらい確認済みだしな。」

だとしたら、彼は何を求めてる?
彼の次の言葉をじっと待つ。

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ネイト - リクエストで「ジンと赤井さんの取り合い話の話」って出来ますでしょうか? (2019年9月10日 7時) (レス) id: 67fc31259c (このIDを非表示/違反報告)
ネイト - 初コメント失礼します!自分こういう内容の小説ドストライクに大好きなので滅茶苦茶嬉しいです!毎日読んじゃうくらいです!私ジン推しなのでジンが出て来て凄く嬉しいです!これからもずっっと応援しています!無理しない程度に頑張ってください! (2019年9月10日 7時) (レス) id: 67fc31259c (このIDを非表示/違反報告)
飛鷹琴葉(プロフ) - 『殺戮の天使』って知ってますか? セリフが似ていた気がするので、勘違いだったらすいません! (2016年10月20日 22時) (レス) id: 2893b59b0a (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - 言い忘れてましたが、アルビノで差別を受けている人もいます、不謹慎だと思いませんかね? (2016年10月16日 13時) (レス) id: 564a3dbb91 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ(プロフ) - アルビノって目は赤くなるんですよ目には毛細血管いっぱいありますし、目が色素無いってのは可笑しいですよ、メラニンの生合成で色素が薄くて色素が薄すぎて毛細血管がたくさんある所では薄ピンクに見えたり赤く見えたりするんですよ (2016年10月16日 13時) (レス) id: 564a3dbb91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:0.001 | 作成日時:2016年5月28日 21時

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