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私は一人で近くのファストフード店に入った。
普段でさえ入ることが無かったから、自分と同じような学生が我が物顔で出入りするのを横目に、少しの緊張を胸にカウンター席に座った。
何も頼まないのも気が引けると思い、ジュースと一番小さいサイズのフライドポテトを買ってみたのだが。
あの豪邸で食事を出してもらっている身として、こんな安い料理を口にするのには若干の背徳感がある。まぁ仕方がない。
ぼんやりと窓の外を眺めながらストローを咥えた。これもまた普段飲んだりしない、炭酸の刺激に少し涙目になってガラスの向こうの景色がぼやけた。
ヒロトはもう家に着いただろうか。タツヤは今頃家で勉強しているだろうか。
皆のことが頭に浮かぶ。トレーに紙製のカップを置くと、たっぷり詰まった氷がぶつかりあうゴロゴロとした音がした。
"タツヤと一緒に居たい"という想いはある。タツヤは私の大切な人だからだ。
けれど、少なくともヒロトと居る時にその気持ちが強くなったことは無い。まず、ヒロトとタツヤをそんな風に比べたことが無かったんだ。
タツヤは私の幼い頃からの友達で、サッカーという世界に私を引き込んだのも彼だった。
格好よくて、明るくて、優しくて。昔から私は、タツヤが大好きだったし、今でもタツヤの為なら何でも出来る。
色々な意味で、私にとって彼を越える人は居ない、今でもそう思っている。
ヒロトだって私の大切な仲間だ。けれど、例えるなら一緒に仕事をしている同僚のような、パートナーのような存在だと言えるかもしれない。
ヒロトのことは尊敬しているし、一緒に居るのも好きだ。あんな風に気楽に話すことが出来るのも、ヒロトが相手だからだろう。
しかし飽くまで私は更正係として、マネージャーとしてヒロトの側に居るだけだった。タツヤの為に、ある種の契約で結ばれただけの関係だった。
そんな私達の間に、タツヤに相当するような信頼関係やもっと深い関係が築けるはずが無い。
第一タツヤは私の家族だ。そう簡単にその関係を越えられたりはしない。
しない。そう思っていたのに。
ヒロトに寂しいのではないかと言い当てられた日。
私はヒロトのことを、私が考えているよりずっと大きな存在として捉えていることに気付いた。
ただの仲間じゃない。仕事上の関係でもない。
もっと深い感情を、ヒロトに対して抱いているんだ。
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狩間篤花(プロフ) - narutokun0531さん» コメントありがとうございます。長い間私の作品を見てくださって本当にありがとうございます…！これからもお褒め頂けるよう精進して参ります(*^^*) (2019年5月6日 8時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - 初コメ失礼します。単眼のセレーネからずっと読んでます。シリアスと甘い恋愛を絶妙に書き分けられる作者様がとても羨ましいです。この小説も読んですぐに気に入ったのですっ！！応援してます、更新頑張って下さい！！ (2019年5月5日 12時) (レス) id: a9d6e0cd93 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 輝夜さん» はじめまして(* ´ ▽ ` *)一気読みしていただけるなんて…嬉しい限りです。ありがとうございます(*^^*)お声に答えられるよう、出来るだけ早い更新を心がけたいと思います！ (2019年4月30日 17時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - はじめまして！夢主ちゃんもヒロトも可愛くて尊いです(´；ω；｀)最初から一気に読みました！これからも更新頑張ってください！！ (2019年4月28日 23時) (レス) id: ad533fb363 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 蓬莱山 輝夜＊さん» コメントありがとうございます。私も新シリーズを見てヒロト君に惹かれてしまった者です( ´-｀)更新頑張ります。 (2019年3月28日 11時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2019年3月16日 6時
