◆ ページ18
私は暫く何も言えず、恥ずかしさに絶句したままヒロトのことを見ていた。
最初は面白そうに口の端を吊り上げていたヒロトも、私の反応に困ったような顔をする。
「おいおい…まさか図星か？」
今日の朝、私が言ったような冗談のつもりだったのだろう。それなら私は首を振って否定しなければならない。
「いや、別に…そんなんじゃない。…多分」
なのに、なんとも歯切れの悪い答え。私は堪えきれずに自分の顔を両手で覆った。
寂しいと思っていること。恥ずかしさで赤くなっていること。上手く言葉が出ないこと。そんな中、ヒロトが隣に居るということ。
何もかもが私が落ち着きを失う原因だった。これ以上顔を上げていられなかった。
「ごめん、ヒロト。その…なんか、変な空気にして」
「別に。まぁ俺も、まさかそんな反応されるとは思ってなかったけどな」
普段はヒロトへの仕返しなんて名目で生意気なこと言うくせに、寂しいなんて感情を抱くとは。本当に幼すぎる思考だ。
ヒロトの声を聞いて、真っ暗な掌の中でそう思った。そして、こんな私を見てヒロトはどんな顔をしているのだろうとも。
この空気から脱するため、私は唇を噛んで、言うべき言葉を口にする決意を固めた。
寂しいなんていうのは、私の我が儘だ。マネージャーとして、チームメイトとしての声をかけなければいけないだろう。
覆っていた手をそっと顔から離すと、いつものオレンジ色の照明が視界を照らした。
また自分の足先へ視線を落とす。小さく息を吸って、緊張する自分を抑え込んだ。
「来週からのことは…分かった。明日、監督にも了承したことを伝える」
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狩間篤花(プロフ) - narutokun0531さん» コメントありがとうございます。長い間私の作品を見てくださって本当にありがとうございます…！これからもお褒め頂けるよう精進して参ります(*^^*) (2019年5月6日 8時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
narutokun0531(プロフ) - 初コメ失礼します。単眼のセレーネからずっと読んでます。シリアスと甘い恋愛を絶妙に書き分けられる作者様がとても羨ましいです。この小説も読んですぐに気に入ったのですっ！！応援してます、更新頑張って下さい！！ (2019年5月5日 12時) (レス) id: a9d6e0cd93 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 輝夜さん» はじめまして(* ´ ▽ ` *)一気読みしていただけるなんて…嬉しい限りです。ありがとうございます(*^^*)お声に答えられるよう、出来るだけ早い更新を心がけたいと思います！ (2019年4月30日 17時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - はじめまして！夢主ちゃんもヒロトも可愛くて尊いです(´；ω；｀)最初から一気に読みました！これからも更新頑張ってください！！ (2019年4月28日 23時) (レス) id: ad533fb363 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 蓬莱山 輝夜＊さん» コメントありがとうございます。私も新シリーズを見てヒロト君に惹かれてしまった者です( ´-｀)更新頑張ります。 (2019年3月28日 11時) (レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2019年3月16日 6時
