稲妻系アイドル。２【イナゴ】 (ページ19)

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――家に帰り、ベッドに横になって携帯を見つめる。

そして、剣城君から貰ったあの紙切れを取り出す。

さっきはアイドルのメアドだって騒いでいたけど、
よくよく思えば、剣城君ってあたしと同じ学校だったのを忘れてた。

要するに、あたしの後輩というわけで……。

「まぁ、後輩って事ならいいよね？」

勝手に自分の中でそう決めつけた上で、剣城君のメアドを登録し、
簡単なメールを送った。

「Aー！お昼よーっ！！」

「はーい！！」

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――ここはスターライン芸能事務所。

今さっき、イナズマ☆５の剣城京介がやって来た所だ。

ずっと気付かれないために被っていた帽子を取り、ハンガーにかけた所で、
ポケットに入れていた携帯が震えた。

それに気が付いた剣城は携帯を取り出す。
メールだった様で、送信者は先ほどまで会っていた宮嶋Aだった。

『宮嶋Aです。
剣城君のメアド、登録しておきました！！』

たった二文のメールだが、剣城はとても嬉しくなり、つい頬を緩める。

「あれ？誰からのメール？」

「ッ！？き、吉良社長！？」

「あ、この子、前うちに来たAちゃんだよね？
メアド交換したんだー」

「え、あ、いやっ、その……っ！！」

すると背後にいきなりこの事務所の社長である吉良ヒロトが現れた。
いきなり現れた驚きと、一般人とのメールを見られてしまった焦りで、
剣城は柄でも無くあたふたしてしまう。

だがヒロトは、さしてメールをしている事に怒りはせず、
むしろにこやかな表情で剣城にこう問いかけた。

「Aちゃんはどうだった？」

「え……？あぁ、良い人でした。優しいし話してて楽しいし……」

「そっか。あ、剣城君ありがとね！」

「？は、はぁ……」

一つの質問をしただけで、剣城の元から去って行くヒロト。
剣城は頭にハテナマークを浮かべるばかりだ。

「やっぱりAちゃんは逃してはおけない人材だな……。
何としてでも事務所に入れなきゃね――」

何か企んだ様な笑みを浮かべながら、
ヒロトは社長室へ帰るため、廊下を歩いていった。

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