稲妻系アイドル。２【イナゴ】 (ページ18)

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「じゃあ、またね！」

「絶対勝負しような剣……むがッ！？」

「じ、じゃあねー！！」

それから、
あたしも話に入れさせてもらって、ちょっと喋った後、
二人は子供達のいる遊戯室へと戻って行った。

ていうか白竜君。
こんな大勢の人がいる前で剣城君の名前を言っちゃまずいでしょ！
何だかハラハラするなぁ……。でも、そんな所が可愛らしいけれども。

こうしてまた二人きりになった時、あたしの携帯が鳴った。

「あ、ちょっと出るね」

「どうぞ」

画面を見てみると、ディスプレイには『お母さん』の文字が。

「もしもしお母さん？」

『A？あなた今どこにいるの？
もうすぐお昼だから帰って来なさいよ』

「あ、はーい。分かった。
……剣城君、もうあたし帰らなくちゃいけないや」

「そうですか……。じゃあ、あの、これ……！」

そう言って渡されたのは小さな紙切れ。
中を開いてみるとメアドの様な文字が書かれていて……ってメアド！？

「こ、これって……」

「俺のメアドです」

えぇぇぇ！？
声には出してないけど、顔には思いっきり出てるだろう。

いやいやいや！国民的アイドルのメアドだよ！？
何故にあたしがもらわなきゃいけないのさ！？ Why！？

「なんで、あたしなんかに！？いいよいいよ！！」

「俺はっ、渡したかったから渡したんです！！
……き、きっとAさんなら誰にも言わないと思ったので……。
登録するだけでもいいです。お願い出来ませんか……？」

断然剣城君の方が背が高いのに、まるで上目遣いをされてるみたいで、
妙に頬が熱くなる。

ま、まぁ、剣城君がそんなに言うなら、貰ってもいい……かな？

「分かった。じゃあ、帰ったらメールしとくよ！！
それじゃ、また会う日までッ！！」

「また会う日まで、Aさん」

こうしてあたしは剣城君と別れた。

最後に見せた微笑みを見て、
あぁ、やっぱりアイドルなんだなぁって実感出来た気がした。

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