稲妻系アイドル。２【イナゴ】 (ページ2)

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「……でさぁ、もう聞いてよ水鳥ー……」

『おーおー、なんだぁ？
そんなに愚痴りたい事があんのか？』

今日は慌ただしい一日だった。

なんかモデルに間違えられるわ、またイナズマ☆５に会うわ、
さらにはスカウトされるわ……！

なんで最近はこうもアイドルとか芸能界に関わっちゃってんの！？
あたしはふつーの一般人でいいの！いっ、ぱん、じん！！

そんな事をただいま宮嶋Aは親友の瀬戸水鳥に愚痴っている。

「――って訳よ。
どう思う、この意味不明なあたしの一日を！？」

『え、面白い』

「面白いって軽く言わないでよ！
本っ当疲れたんだからぁ……」

絶対スマホの向こう側でニヤニヤ笑っているであろう水鳥を
あたしは殴ってやりたいと思ったが、ここは一旦落ち着こう。

フゥ、と一回息を吐いてからまた話に戻る。

「普通モデルに間違えられると思う？」

『間違えられんじゃね？ A可愛いから』

「…………。じゃあ、普通スカウトされると思う？」

『されんじゃね？ A可愛いから』

「…………。じゃあさ？普通アイドルに会うと思う？」

『……会うんじゃね？ Aの可愛さなら』

「さっきからなんで同じ事しか言わない！？
てかあたしは可愛く無いっつうの！！」

ギャーギャーとスマホに向かって大声で反論する自分。

フゥフゥ……と荒い息を整えながら、ちょっとうるさかったかな？
なんて思ったが、これはしょうがなかったんだ。

だって、水鳥がいけないんだもん！！

『お、お前、声でか過ぎだよ……。
鼓膜破れるかと思ったわ！』

「ごめんなさいねー、すみませんでしたー」

『絶対心から謝ってないな……。
でもまぁ、こんな経験滅多に無いから、一つの思い出として残しとけばいんじゃないか？』

水鳥の言う事に少し考える。

まぁ……あんな経験確かにするなんて全然無いし、
これはこれで思い出として考えればいいか。

あたしは少し納得をしてしまった。

「そうだね、そう考えとくよ」

『そうだそうだ！
あ、じゃあもうすぐご飯だから切るなー』

「うん、愚痴に付き合ってくれてありがとう」

そう言って、あたしは電話を切った。

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