素直になれば良いのに (ページ36)

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Dry or Wet Peace 14 ジケンゼンヤページ36

自分の部屋でここ二日の自分の起こったことを思い出す

隼人に勢いで告白して、翌日東堂くんを探しに行ったら告白されて

ため息が良くないこと位わかってるんだけど

「明日以降どんな顔して会えば良いんだろう」

まぶたを閉じて、思い浮かぶのは泣きそうな隼人の顔だけで

東堂くんの思いには答えられないな…って思った

「どうしたの Aちゃん」

同じクラスの◯◯さんが話しかける

不思議なことに彼女とは一年生から同じ寮で、同じクラスなので顔馴染みとは言える

けど、学年一モテる人に告白して翌日学園王子に告白られて…なんて、ラノベみたいなこと話せるほど仲も良くない

「なんでもない。◯◯さん」

そう、無難が一番。

「あっそ。ま、困る前に話したくなったら言いなよ」

お節介焼きでどこか誰かを彷彿とさせるような反応が返って来て少し安心する

「ちょっと、空気吸って来るね」

「羽織物来て行きなね」
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なんでかな。悩む時はいつも空を見上げて、自分勝手にスッキリするクセがある

どうして私に東堂くんは告白されたんだろうって思っても答えは全然出ない

草むらに寝転んで星空を見上げると、牛飼い座がきれいだった

「たしか、一等星は………」

名前が微妙に思い出せなくて、目をつむる

「牡牛座はアークトゥルス、獅子座がデネボラ、乙女座はスピカだ」

「うん、ありがと。隼人」

って…

「し、新開くんどうして！」

「久々に聞いたな～ Aが俺のこと名前で呼ぶの」

やたらと嬉しそうに、大好きで…大嫌いな彼が微笑みながら隣に座る

カサリと音が立つ。それと一緒に私の心拍数も上がった…気がしてうつむく

「尽八に告白されたんだって？」

無邪気に君が聞く

そのこと、隼人の口から聞かれたくなんてなかった

でも

「………答えられないって、伝えようと思ってる。私、東堂くんをそう言う目で見られないって… 」

隼人に本当を伝えたかった

「なぁ、A。明日の大会見に来てくれねー？優勝したら言いたいことあるんだ」

中学の頃みたいに隼人が笑う

苦しくて痛いはずのささくれ立ったところに、スルリと隼人が入って来たような気がして

内緒で行くはずだったのに、つい頷いてしまった

隼人の顔はよくみえないけど、二人で満点の星の中無言でいるのに、心地良い気がする

だけど、どうしてだろう。『嫌な予感がした』んだ。