Dry or Wet Peace-10 新開side ページ32
部活中も集中出来ずに何度もバランスを崩して倒れるを繰り返し過ぎて
身体中のあちこちが痛む
さっきのプリクラをもう一度見てみる
俺が最近は見たこと無いようなリラックスした表情をしていた
(小学校の頃みたいだな…)
やっぱり返そうって決めたら練習に身が入った
キツい練習(周りはそう言ってる)も終わり、彼女のクラスに走って行く
「いっ…居ない」
そうだ！委員会業務してるのかもしれないな
来た道を図書室の方へ引き返す
案の定、鞄をゴソゴソしている彼女を見つけた
なんて言おう…自然体がベストなんだろうか…それとも深刻な感じかな…
悩ましかったけど結局
「A 忘れ物届けに来たんだけど…」
結局、ストレートに言うことしか出来なくて
うつむいた彼女がボソッと言った言葉が嬉しくて仕方無かった
無意識だった
頭の片隅に追いやったはずの映像を思い出して
彼女に偶然触れると“熱”が伝染して、抱き締めてしまいたいと思う
手放し…たく…ない…な…
「ねぇ A…俺のこと嫌い？」
知りたくも無いくせに、曖昧な境界線の疑問を口にしてしまった
辛そうな表情をするA
俺っていつもそうだ。お前のこと傷付けてばっかで…何にも知らない…
「好きとかの範疇じゃないよ…」
俯いて君が言う
分かってた…分かってたはずなんだけどさ…
(想像以上にクるな…)
格好悪い俺をバレたくなくて頭を撫でる
Aを寮まで送り、男子寮のシャワーを浴びる
誰もいないから安心して俺は、目から溢れた雨を流し続けた
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作者名：イナユキ | 作成日時：2015年2月6日 19時
