素直になれば良いのに (ページ24)

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Dry or Wet Peace-2 ページ24

新入生向けオリエンテーション当日

部活動をしていない私には全然関係ないけど

東堂君に無理矢理連れて来られ…今は、舞台袖で待機している

「Aっ！どうして…」

振り向かなくても隼人だって分かった…

「俺が連れて来た。いけないか？」

腕を組んで東堂君は、隼人を睨んで言う…

「今日だけ可愛いマネージャー(仮)の役目を頼んだのだよ。むさ苦しいだけのチャリ部だったら誰も入らんと思ってな…」

「良いのか？A…仮っつったって…」

自転車競技に絡む事が嫌で部活に入らなかった訳じゃないの

表彰台にいる、隼人の側にいれないと実感するのが嫌で逃げてただけ…

変化を恐れてちゃダメだと、東堂君が手を引いてくれた瞬間、私は思ったんだ…

「東堂君の頼みだもの。聞かない訳には行かないでしょ…」

不安そうな顔で、不安を消そうと私の頭を隼人は撫でる

「なんか、あったら言うんだぞ」

そしてステージにスポットライトが当てられ…

部活動説明会が始まる

新開side
大丈夫だって分かっている。と、Aに知られたら俺はどうなるんだろう…

殻を破っても、Aにとって怖い事が何一つないのだと知って欲しく無かった

他のヤツに見せたくないな…Aの魅力に気付いてるのは数少ない人間だけで良いのに

そっと、Aの頭を撫でる。泣くのを堪えながらだったから変な顔だったかもと思う

(本当の弱虫は俺なんだ…)

撫でていた手をグッと握り下を向いた…
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そして説明会は終わり、中庭に出た俺とAは空を仰ぐ…

Aがフゥと溜息を吐いてる間に自販機で、アレを買ってくる事にした

「お疲れさん」

好物のべプシを差し出すと緊張の解けた笑みが溢れた。

「覚えててくれたの？」

幼い頃から変わってないところを見て…あ…やっぱり俺はAが好きだと思う

「Aの事で忘れた事なんか一つもない！ずっとそばにいるから！」

素直に思いを伝える事が中学の頃は出来なかった

でも、今は出来る。恥ずかしい事なんて何もないから

だけど…『好き』の二文字を伝えることは今回も出来なかった

「ありがと…」とAに言われただけで、なんでかな？

嬉しくて、嬉しくて…自然と笑っちゃったよ…

二人きりの時間は少ないかもだけど、Aにとって一番大切な人が出来るまでは

俺が一番で居続けて、純粋さを守ってようと心を新たにした