ブフォ！ ページ16
貴「どこ？」
「俺の好きなとこ。」
貴「思い出がある的な？」
「おん。」
金髪くんの背中に揺れていたら
いつの間にか公園についていたらしい。
「もう歩けるやろ。」
そう言われ背中からおろされた。
金髪くんがブランコに乗り始めたので
私もつられて公園のブランコに乗る。
貴「なんでここに私を連れてきたの？」
「んー、なんとなく連れてきたくなっただけや。」
貴「ふ、なにそれ。」
子供のような単純で
可愛らしい理由に思わず少し吹き出してしまった。
「な！？笑うなや！」
貴「ふふ、ごめんね〜。」
「謝る気ゼロやん。」
貴「そんなこたぁないですよぉ？」
雑談に花を咲かせる。
その相手が金髪くんなんて異様だな。
「ここは咲との思い出の場所や。」
その瞬間心臓がズキリと痛んだ。
なんでだろう、なんでそんなところに
私を連れてきたんだろう。
そんなに私のことが嫌いかよ。
「なあ、好きな人がおるんやけど…
____________告白するの手伝ってくれんか？」
ブランコから立ち上がり問いかけてくる金髪くん。
そんな金髪くんの
問いかけに私は頷くことしかできない。
あぁ、神様。
酷くないですか。
なんで相手が私なんですか。
私のこと嫌いすぎじゃないですか。
くそったれ。
「んで！女子ってどんな告白が一番嬉しいん？」
柵に腰をかけこちらを見てくる金髪くんに
恥ずかしくなり私もブランコから降りる。
貴「んー、シンプルに壁ドンとか？」
ありきたりなことを言ってみる。
貴「てか、どんな告白でも
オッケーしてくれそうだけどね。」
「それ、どういうことや？」
あ、やばいかも。
金髪くんの顔が歪み始める。
貴「いやぁ、あの女子は大体そんな気がするよ？」
誤魔化せただろうか。
金髪くんの取り柄は顔しかない
みたいなことを言われるとめっちゃ怒る。
そんなつもりで言ったわけではない。
けど、金髪くんにはそう聞こえたんだろう。
「ふーん、せやったら…」
さっきまで横にいたはずの金髪くんの顔が
真ん前に来て半歩後退りをする。
「俺と付き合うてくれへん？」
貴「…へ？」
すっとんきょうな声が出てしまう
この人は何を言っているのだろうか。
貴「え、正気？」
「ブフォ！」
急に吹き出すのでビクッとしてしまう。
「コクったんにがちトーンで正気？って言うん
めっちゃおもろいなぁ。」
お腹を抱えて大爆笑する金髪くんに
つられて私も笑いが込み上げてくる。
それから何分間も互いに笑いあった。
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作者名：ゐ。 | 作成日時：2022年6月12日 19時
